仕事中の怪我の会社の責任と労災隠しについて-法律的根拠について

労災と認めないブラック

仕事中の怪我の会社の責任と労災隠しについて-法律的根拠について

労災の基本的考え方

仕事中に怪我をして業務上の災害と認められると労災保険(労働者災害補償保険)から給付を受けることになります。

普段わたしたちが風邪を引いたり、休日に遊びに行ってケガをしたりしたら健康保険を使用して病院に行きます。

しかし、仕事中にケガをした場合は労災保険を使用しないといけないのです。

労働者からすると、自分の怪我が治ればどちらの保険を使用しようとそれほど大差ないと考える人もいるかもしれません。

また、労災を申請する時、労働者の中で会社に迷惑を掛けたくないから労災にしたくないという人もいます。

しかし、これは法律で決められたルールですから、仕事中の怪我は労災となり労災保険を適用しないといけません。

労災にして会社側が困ること

労働者が仕事中に負ったケガを労災にすることによって会社に迷惑をかけるとの心配は必要ありません。

会社が労災を使用することによって保険料が高くなるなどのことはないからです。

しかし、それであるにもかかわらず、会社が労災を認めようとしない場合があります。

それには安全配慮義務違反という問題が隠れています。

会社は労働者を雇う時に、労働者の生命や身体が危険にさらされないように保護する義務があります。

労働者が危険な状態にさらされていることを知りながら業務命令と言って労働者を酷使すること危険な目に合わせることはいけないことなのです。

この安全配慮義務があるために、もし会社が知りながらも、あるいは過失によって労働者がケガをしたり病気になるようなことがあれば、またはそれが原因で死亡した場合などには、会社側は安全配慮の義務をまじめに取り組まなかったとして損害賠償の責任を負う事になります。

この問題があるために、会社は容易に労災であるということを認めたがらない傾向にあるのです。

使用者責任、会社が従業員を雇うということについて

また会社は従業員が第三者に損害を与えた場合にその従業員を雇っていることによる賠償責任を負うこととされています。

つまり、従業員を雇っていてその従業員が他の誰かを負傷させる行為があれば、会社がその負傷に対して責任を負わなければならなくなります。

このように、会社が人を雇うということは従業員の行動まで責任をもつということ、従業員の安全から教育までしっかりと管理することが必要となるのです。

そのため、労災に関してもその他負傷に関しても会社が教育管理できていなかったことになることを恐れ責任逃れをすることがあるので注意が必要となります。

労災と認めないブラック

労災だと会社が認めてくれない。

労働相談

質問:仕事をしている時にケガをしたのですが会社が認めてくれません。

仕事中にケガをしました、近くには上司もいたので、見ていて知っているはずです。

でも、労災ではないと言い張ります。どうして会社が認めてくれないのでしょうか?健康保険を使用すれば済むことなのかもしれませんが、少し納得がいかなかったのでお聞きしたいです。

A労災は労働基準監督署が認めるものです会社が認めなくても申請できます。

仕事中にケガをしたら、労災として申請します。会社が申請するものです。

しかし、労災は従業員を一人でも雇った場合に必ず加入しなければならない保険であるにもかかわらず会社が労災の申請をしてくれない場合があります。

会社が労災を認めてくれない理由

会社が労災と認めてくれない理由はいくつかあります。ここでは考えられる2つの理由を考えてみます。

1つ目はもともと労災保険に加入していない。

労災手続きが面倒だから、あるいは、何らかの理由によって労災に加入していない場合があります。加入は義務ですが、未加入でいると悪質な者にはその報告を求められ罰則を与えられることもあります。

つまり、このような場合は、社長が労災に関しての知識や情報がなかった、労災は素直に加入していれば従業員にも経営者にとってもプラスになる制度です。そのことを社長や経営者が知らなかった。そういう場合は、上司や経営者にしっかりと労災の必要性を説明することが大切ではないかと思います。

無理に事を荒立てないほうがいいと思われます。

考えられる2つ目は会社の過ちを認めたくない。

会社には従業員が安全な作業や労働に従事できるようにその環境を整備しないといけない義務があります。

認めてしまうと労働者からの損害賠償等会社の過ちを認めてしまうことになります。

会社の安全配慮義務違反で訴えられることを恐れているのかもしれません。

しかし、労災は会社が労災であると認めるものではなく労働基準監督署が認めるものです。会社による承認がなくても自分で申請をすることが可能です。

ですので、自分で労働基準監督署に赴いて労災を申請してください。

労働問題ニュース

うつ病で労災申請、精神障害の労災はどのように認定されるのか請求するときの注意点

うつ病で労災申請は業務起因性が問われる

精神障害になったことは仕事が原因として労災は認められるのかについてお話したいと思います。

毎日毎日厳しい目標とそれを達成できないと激しい叱責、ブラック企業の営業などにありがちで、パワハラ裁判などで実態が暴かれるとそのひどさに人々は驚かされます。

しかし、現実に過酷な目標を設定させられながらも辞めることも転職もできずにサービス残業を続ける会社員は少なくありません。

辞めるに辞められない、次の職も探すことができないし、守らなければならない家族がいるから簡単には辞められない、そういう様々な要因が労働者に心理的に負荷を与えてうつ病を発症するなどのケースが有ります。

そのような場合、業務災害として労災認定をされることがあるのでしょうか。

うつ病

うつ病などの精神病による労災補償は年々増えている

精神障害を原因として仕事上を理由とする労災の認定決定は毎年増え続けています

平成24年度では労災として請求された件数が1257件に対して、なんらかの支給として業務災害である労災として認定された件数が475件にも登ります。

認定率は39%と高いとはいえませんが、かなりの確率で労災と判断されていることがうかがえます。

では、どのような場合に労災として認められるのかそのような基準はあるのでしょうか。

精神障害の労災認定要件

精神障害にかかったことが仕事をしていてあるいは職場の環境が原因であるとして労災として認定されるには認定要件がクリアしていることが求められます。

認定要件は次の3つです。

  1. 認定基準の対象となる精神障害を発病していること
  2. 認定基準の対象となる精神障害の発病前概ね6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
  3. 業務以外の心理的不可や個体側要因により発病したとは認められないこと

認定基準の精神障害とはなにか

労働災害であるとして認定されるための精神障害となる病気に関しては、具体的にはうつ病や急性ストレス半のが挙げられます。

国際疾病分類「精神及び行動の傷害」に分類されお酒の飲み過ぎによるアルコール依存症などの症状や大麻や覚せい剤などの薬物によってもたらされる精神障害や依存症などは含まれません。

おもに気分障害、ストレス関連障害が該当します。

 仕事が原因とするストレスはどう判断されるか

仕事が原因とするうつ病などの診断は心療内科クリニックで診断されることにより判断されます。

それによってうつ病と判断された場合、労災であるかが調査されます。

うつ病と診断された日のだいたい6ヶ月前の間に起きた仕事の状況や家庭の状況などが調査されることになります。

その場合「特別な出来事」として労災として認められる項目は以下の様な場合が該当します。

心理的負荷が極度のもの

  1. 生死に関わる極度の苦痛を伴う、永久労働不能となる後遺障害を残す業務上の病気やケガをした。
  2. 業務に関連し他人を死亡させ、または生死に関わる重大な怪我を負わせた
  3. 強姦や本人の意思を抑圧して行われたわいせつ行為などのセクシュアル・ハラスメントを受けた
  4. その他、上記に準ずるていdの心理的不可が極度と認められるもの

長時間労働が極度のもの

  1. 発病直前の1ヶ月に概ね160時間を超えるような、またはこれに満たない期間にこれと同程度の時間外労働を行った

労災と認められるその他の原因

もちろん上記の項目から外れたら認定されないというわけではありません。

特別な出来事以外としても精神障害にかかった労働者が置かれた環境などが総合的に評価されて労災として認定されるケースが有ります。

たとえば、パワハラに関しては部下に対する上司の言動が業務指導の範囲を逸脱しておりその中に人格や人間性を否定するような言動が含まれかつこれが執拗に行われた場合や同僚などによる多人数が結託して人格や人間性を否定するような言動が執拗に行われた場合などが労災として認定される要因となり得ます。

精神障害が労災と認定されるにはある程度のハードルがあるのも事実です。

様々な要因が調査されるので簡単に労災とは認められないだろうなどと自分で決めつけてしまう必要はありません。

あくまでも業務災害であると認めるのは会社でもなくあなたでもなく労働基準監督署です。

労働相談

長時間労働でうつ病になったら労災になるの?サービス残業が多い人は要注意

うつ病で労災は認められるの?

うつ病で労災は認められるのか?うつ病や精神障害を訴えてこれは労災として認定されないか?そのような相談をよくうかがいます。結論から言いますと、うつ病による労災は認められる事例はあります。

ただし、うつ病等の精神障害による労災認定は仕事を理由とする傷害疾病にあたるのかを調べることに少なからぬ労力を必要とされますので、誰もが容易にうつ病を会社の仕事が原因となる精神障害としての労災と認定されるという状況ではありません。

過労死過労自殺

最近では新型うつ病などと言って、仕事中はうつを主張しつつ休職をとり、会社を休んでいる期間には海外旅行に出かけたり、イベント活動など元気に活動している等という人が現れ、まわりから見ると鬱の詐称ではないのかと疑いたくなるような症例も見られます。

とはいっても、本当に長時間労働に苦しまされたり上司からの執拗かつ激しい叱責や嫌がらせ等が続いたり、仕事の過大なノルマを負わされた挙句に責任を負わされたりしているのに、新型うつ病だと思われたくないがために仕事に取り組みその挙句に病気にかかったり、極端な例として過労自殺などを考えるようになったりすることになったら元も子もありません。

また、終わることのない仕事のノルマがあって長い時間仕事に従事しないといけないような環境を我慢し続けて、たとえうつ病にならなかったとしてもそれが身体の健康によい生活、良い労働環境とは呼べません。

長時間労働は鬱病などの精神疾患をひきおこす危険があるだけではなくて、脳血管疾患や心臓疾患などの病気になる可能性もあります。

長時間労働で自分が鬱病ではないと判断して頑張って働いていたら脳卒中で倒れてしまっては元も子もありません。長時間、会社の仕事に従事して働いている人は誰よりも自分が自分の体の健康について気を配ることが大切です。

うつ病かなと思ったら迷わずに診断を

もし、何をやるにも気力が出ないとか、不眠に悩まされる、あるいは深い眠りが得られずに早朝4時頃になって目が覚めるようなことなどの症状があれば、すぐにでも心療内科を受診することをおすすめします。

それは労災申請できるかあるいは障害年金を請求できるかにかかわらずあなた自身のために診断を受けておくことがとても大切だからです。

また、今は仕事を休むことができないから、もうこんな会社はいつでも辞めるつもりでいるから辞めてから時間を取って心療内科にでも行けばいいかなと考えている方がいれば、それもおすすめしません。

なぜなら社会保障の観点から、特に障害年金に関しては健康保険に加入している時期にうつ病と診断されることが必要となるからです。

また、健康保険の傷病手当金も労働者災害補償の業務上の災害である労災として認定されなかった場合には活用することが可能となります。ですので、かならず仕事を辞める前に一度会社を一日くらい休んで心療内科に行ってお医者さんの診断を受けてみるのがいいと思われます。

以前このサイトでも書いたことですが“長時間労働でのうつ病が労災申請する時の注意点”こちらで詳しく書いておりますので、長時間労働などの会社の命令や会社の仕事上での活動が原因として労災であると考えるのであるならば参考にしていただけたらと思います。

労災申請で忘れないでほしいこと

うつ病に罹ったことで労災申請をする場合、会社の業務上の起因性が問われるため会社と紛争になる可能性も否定できません。

業務上の起因性とは会社の命令で仕事をしていてそのために病気やケガをしたのかという判断のことをいいます。

しかし、よく覚えておいてほしいことですが、労災であるのかどうか、うつ病が業務に起因する病気であるのか仕事が原因で病気になったのかどうかを判断するのは、会社でもなく、あなた自身でもなく、労働基準監督署長です。

ですから、自分が病気になった経緯については客観的事実を淡々と述べていくことに何一つためらうことなど必要ないのです。その上で会社の仕事が原因となる疾病であると認められるのであるのなら、それに何が問題があるのでしょうか。

長時間労働が原因でうつ病になったと思われる方は、まず最初の一歩は心療内科で診断を受けること大切なことであることに注意してください。そして次に実際に労災を申請してみること、それが大切なことだと思われます。

残業時間限度

過労死ライン残業時間1ヶ月45時間以上は要注意80時間以上は危険水域

厚生労働省が示す過労死として認定される基準

1ヶ月45時間以上の残業は要注意

過労死ライン

発症前1ヶ月ないし6ヶ月にわたって、1ヶ月あたりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること

1ヶ月100時間以上の残業は警告、80時間が2ヶ月以上連続も同じ

過労死100時間超え

発症前1ヶ月間におおむね100時間または発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって1ヶ月あたりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できることを踏まえて判断される。

サービス残業など注意してほしいこと

サービス残業をやっていて本当に仕事をしていたのか認定されにくいもの、あるいは仕事をしていた記録として残っていないために労働時間と認められないものは含められません

そのため本来なら業務上の災害である過労死として認められるはずの残業が仕事として認められないという危険もあることを注意してください。

超過労働時間が増加する日本の労働環境について

過労死という言葉は現在では一般的に知れ渡っている言葉で、初めて使われ始めたのははバブル経済の1980年台にさかのぼるのはないでしょうか。

テレビのCM等でジャパニーズサラリーマン24時間働けますか?というフレーズが流行したりして、世界的に日本経済が羽ばたいている時に裏では働き過ぎで死ぬ人も出てくるというのが社会現象として取り上げられました。

この過労死という言葉は不名誉なことではありますが、今ではkarousiと英語圏でも通用する言葉になっていることは有名です。

日本ではこの過労死という言葉はたびたび新聞に取り上げられるために、耳にしてももうインパクトを感じない人も多いかもしれませんね。

しかしこの言葉はヨーロッパの友人に聞いたところ、想像以上におぞましいイメージが含められていると言っていました。

過労死とは病名ではない。

厚生労働省が判断する過労死の認定基準

過労死とは働き過ぎが原因でなくなることであって病名ではありません。

一般的に流通させるために最初にマスコミが使用している造語ではなかったでしょうか。

現在では過労死の存在を厚生労働省も認め、過労死として使用されている病名は具体的には脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞や心筋梗塞などといった、脳血管疾患とと虚血性心疾患等によって死亡したものとして労災に認定されます。

過労死とは業務に起因する労働災害である。

具体的に政府は労災保険での脳血管疾患による労災の認定基準を時間外労働80時間以上とされています。

80時間と言ったら終業時間が6時の会社だとしたら、10時まで残業をする仕事を1ヶ月、あるいは、8時まで仕事を週休1日で行えば超える数字です。

この数字だけを見たら、「俺達の若いころはもっと仕事をした、これで働き過ぎなどたるんでる。」という高度経済成長を経験された先輩社員がおられるのではないでしょうか。

しかし、当時と現在では置かれている状況が全く違います。過労死は万が一にもあってはならない、職場環境の安全配慮義務は使用者にあるのだから、従業員の健康もしっかりと管理すべきである。

労働者は自分を守るすべを知る必要がある。

わたしは普段から思うのですが、労働者は自らを守るための法律や権利を知っているのだろうかと思います。

新入社員なのだから、経営が危ないんだから、なんだと様々な理由により、労働者に一方的に労働基準法に反する行為を押し付けることが許されるわけがない。

自分の身は自分で守る。それが労働者にとっても日本の雇用環境にとっても重要なことになってくると思います。

労働相談

会社を辞める時に有給休暇が残っているけど有休はもらえないのか?

退職時の有給休暇取得の問題

有給休暇は働いている時にはもらえなかったけど、辞める時となったら全てもらうことはできないだろうか。

そういうお悩みの労働者が多いようです。今回は退職時の有休の取り扱いについて説明してみたいと思います。

有給休暇の取得に問題がある会社というのは基本的に有給休暇を取得するための手続が会社に整備されていない。職場が有給休暇を取得できるような雰囲気ではない。など何らかの問題が会社にあり、有休が取得できない状況にあると思われます。

しかしながら、有給休暇とは本来労働者に与えられた権利であり、会社が付与する等というものではありません。

しっかりとした知識を備えて会社に対して有給休暇の取得のために行動をとることが大切となります。

有給休暇について覚えておこう

  • 有給休暇の取得は労働者の権利であり会社が付与するものではない。
  • 退職時にまとめて有給休暇を取得することは問題ではない。
  • 就業規則等で退職の手続等が決められている時はそれに従うべき。
  • (しかしそのような手続があるのなら有休取得の手続が整備されていないのはおかしい)
  • 就業規則等のルールも無く有休ももらえない時は労働基準監督署に相談すると良い。

退職と有給休暇

普段から有給休暇の取得ができない会社では退職前に有給休暇を全て申請して退職するというケースが多いと思われます。

賃金未払い等でもそうですが、辞めないかぎり会社に権利を主張できないということも問題がありますが、実際にワンマン社長等が支配している会社等では往々にあり得る話です。

そこで、会社を退職するにあたって最後にまとめて有給休暇を取得することに関してですが、これは問題ではありません。

しかし、引き継ぎ等が必要な職場であったり、有給休暇取得手続や退職手続が整備されている会社で突然まとめて有給休暇を取得して退職するということは社会常識として認められるものではないことも忘れないようにしてください。

ここでいう退職時のまとめて有休を取得する方法は主にブラック企業等の「仕事を辞めさせてくれない」、「有給休暇を取得させてくれない」などという強引な労働者への権利の濫用をする会社に対しての対処方法です。

会社に有給休暇を取得する雰囲気が無く、正式な手続も無いのなら、社長に直接有給休暇が必要であることを話し合う必要があります。また、話し合っても取り合ってくれないような会社でしたら、労働基準監督署に相談に行くことも効果的であります。

以前でも当サイトで紹介しましたように有給休暇の取得率は先進国の中で日本が最低との結果があります。

わたしたちが社会生活を営む上で人間らしい生活をする、休暇を使って心も体もリフレッシュすることは大切なことです。

その労働者に認められた有給休暇は誰もが取得できるものであるという認識にたって豊かな生活を送りたいものです。

厚生労働省のストレスチェック−労働安全衛生法改正案によるストレスチェックの義務化

労働安全衛生法改正案によるストレスチェックの義務化とは

労働安全衛生法の改正案が取りざたされ注目を集めています。

今回の労働安全衛生法の改正に伴うストレスチェックの義務化で注目されるポイントは2点あります。

  1. 従業員50人以上の事業所に対して労働者のメンタル不調の未然予防のストレスチェック
  2. ストレスチェックの結果を労働者に通知し、労働者が希望する場合医師による面接指導を実施する

ストレスチェックとは、近年増え続ける労働者の精神的負担からくる体調不良や鬱病等の精神疾患を未然に防止するために、事業主は労働者がメンタル面で不調を来していないのか管理する責任を問う制度の実施です。

ただし、精神疾患の発見が目的ではなくあくまでも労働者の自主的なセルフケアによる意識向上がめざされています。

厚生労働省が実施する職場のストレスチェック

厚生労働省が実施するストレスチェックは以下のサイトを参照ください

▶︎▶︎▶︎厚生労働省の5分でできる職場のストレスチェック

質問に対して4つの答え「そうだ」「まあそうだ」「ややちがう」「ちがう」の中から自分にあった者を選ぶタイプの簡単なチェックです。

最後までチェックを行い自分のストレス度等を把握できます。

そして、セルフケアとして何が求められるのか、または、専門家や医療機関のアドバイス等を求めることもできます。

厚生労働省ストレスチェックまとめ

厚生労働省がめざすストレスチェックの義務化は精神疾患の発見が目的ではありません。

あくまでもセルフチェックとセルフケアが目的で事業主と労働者の主体的な解決が求められるものとなります。

近年多い、経済的な問題を理由とした鬱病等の精神疾患を未然に防ぐものとして、また、メンタルヘルスは社会的な問題であると言う意識向上に資するものだと思います。

労働相談

「会社をやめてくれないか」と言われた時の対応と労働相談

社長や上司にやめてくれないか?と言われたら

「会社をやめてくれないか?」と社長や上司に言われた時にどうしたらいいのでしょうか。

このようなことは突然やってきます。

誰もがそのような経験などおそらく初めてで会社の求めに応じるべきなのか、どう対応したらいいんか戸惑うのが普通でしょう。

そこで今回は突然会社をやめてくれと言われた場合について解説したいと思います。

どうして会社がやめて欲しいのか

まずは、どうして「会社が辞めてくれないか」というのかの背景や会社側の主張を考えてみましょう。

会社の経営が苦しい

会社の経営が苦しいという場合は、整理解雇となります

そこでまず最初に考えて欲しいのは、「なんで自分が選ばれないといけないの?他の人じゃダメなの?」ということです。

これは当然の話しでもっともなことです。

以前書いたように整理解雇には人を選ぶときの公平性というのを考慮しなければなりません。

ですから、会社がリストラをしたい場合、整理解雇に必要な四要件など厳しい手続きが必要になります。それらを放っておいていきなりやめて欲しいという話は受け入れる必要はありません。

本人の営業成績が悪い

本人の営業成績が悪いからといって容易に退職して欲しいという会社の要望を受け入れる必要もありません。

会社からお給料をもらっているので営業成績が悪いということはある程度自分に責めを感じることもあると思います。

だからと言って生活の基盤となる職を会社の要望通りに投げ打つ必要もありません。

会社側にもある程度本人が成果を出すために対応したり、営業職が不向きであるのなら違う部署を探すなどの努力も必要となります。

それらを努力せずに本人を退職させて解決するなどは認められません。

本人が休職しがち

会社は利益を追求する組織です。また大きな会社でない限り休みの多い社員を雇用し続けることが出来るほど経営が順調である会社ばかりではありません。

そのような状況で自分の病気、私傷病を理由として労務を提供しない労働者を雇い続けるというのは会社にとっても負担であると思います。

ですが、働く人の立場からしても思わぬ病気が突然発症したりしている状況で職まで奪われたら生活が一気に困窮することはわかりきっています。

病気の身体で再就職も難しいでしょう。ですので、休職を理由として会社側からやめてほしいという一方的な主張を当然に受け入れることは必要ありません。

労働者と会社は双方じっくり話し合うことが求められます。就業規則などのルールに則った上での最善の対処が求められると思います。

会社側の一方的な辞めて欲しいを受け入れる必要はありません。

とにかく気に入らないからやめて欲しい

中小企業のワンマン社長の場合このような理由による退職勧奨が一番多いのではないでしょうか。

社長と相性が悪いという理由だけで退職しないといけないなどという横暴を許してはいけません。断固として戦う姿勢を見せるべきだと思います。

辞めて欲しいと言われた時の対処

まず覚えておいて欲しいのは、会社の仕事を辞める時にあるいは離職することの理由に大きく別けて2つ存在します。

「解雇」「退職」です。解雇とは会社側が一方的に労働契約を破棄することです。ですので会社はいつでも労働者を解雇できます

しかし、解雇には合理的理由が必要となるために、裁判になったら正当な理由がなければ負けます。

つぎに退職ですが、「会社都合」と「自己都合」がありますが、双方が合意して仕事を辞めていくことになります。

会社が辞めてくれと言う場合はこの「退職」を求めていることになります。

当然ですが、労働者の同意が必要となります。労働者が退職してほしいという会社の要望を受け入れられないのなら当然断るべきです。

会社側もそれ以上に辞めて欲しいということはできません

もし、しつこく辞めて欲しいと言ってくる場合は退職強要となります。

退職を迫るために、嫌がらせをしたり、いじめをしたりパワハラやセクハラなどをして退職するように迫ってくる事も考えられます。

そのようなことがないように日頃からメモをとったり、どういうことが言われたのか、どれほどしつこく言われたのか、などの記録を残すことをおすすめします。

退職強要を受けたら

わたしたちは働いて生活の基盤となる賃金を得ることは大切なことです。これらを一方的に打ち切ろうとする退職勧奨は相当の理由がない限り受け入れる必要はありません。

また、本人が会社を辞める意思がないのにもかかわらず退職を強要する行為は認められてはなりません。

毅然とした態度でしっかりと自分の意志を伝えること、そして相手が不法行為で応じてくる場合はそれなりの対処をすることが必要になるということを忘れないようにしてください。

 

労働問題ニュース

改正パートタイム労働法成立正社員との格差が禁止され範囲が拡大

改正パートタイム労働法成立

勤務時間が短いパートタイム労働者のうち、正社員との賃金格差を禁じる人の範囲を広げる改正パート労働法が15日、参院厚生労働委員会で可決された。16日の参院本会議で採決の見込みで、今国会で成立の見通しになった。

3カ月や6カ月単位の約束で働く有期雇用の人でも、①正社員と職務内容が同じ②転勤や異動などの人材活用の仕組みが同じ――の二つの条件を満たせば、正社員との間で賃金や研修機会に差をつけることを禁じる。いまは雇用期間が決まっていない「無期雇用」も条件だったのを外す。

施行は遅くても来春で、今後、審議会で詰める。厚労省によると、賃金格差の差別禁止対象となる人は全パート労働者の1・3%(約20万人)から、2・1%(約30万人)に増える見込み。また、①②の条件にあてはまらないパートでも、福利厚生などで不合理な待遇差別を禁じる条文も新たに付け足された。
http://www.asahi.com/articles/ASG4H4RG0G4HULZU009.html

今国会で採決が見込まれるパートタイム労働法が改正されるニュースです。

朝日新聞の見出しには「正社員との格差禁止、範囲拡大 改正パート労働法成立へ」として格差が禁止されるとなっております。

以前は無期雇用の場合は、職務内容が同じで異動がある場合は賃金格差をしてはいけないというものでした。

つまり逆に言うと異動がない場合は賃金を低くしてもよいといういわゆる限定社員を促進するものでしたが、今回は有期雇用のものにも異動がある場合は、賃金格差を行ってはいけないというものです。

逆に言えば、異動が無い有期雇用は賃金格差もやむなしという見方もできます。

また、福利厚生面でパートタイマーに対しても待遇差別を禁じる条文も付け足されたそうですが、詳細に関しては審議会でつめより遅くても来春に施行されるとのことですので注意深く見守ってみたいと思います。

 

労働相談

過剰なノルマや目標で退職に追い込まれる前にすべきこと

過剰なノルマや目標はパワハラか

 

 

【質問】
営業の仕事で営業ノルマがあります。1日の営業成績と1ヶ月の営業成績をそれぞれ設定して達成できないと上司から激しくののしられます。

最近ではノルマではなく「自主的な目標」にすぎないと言われ会社が命じているノルマではない等と言い始め、目標を自分で設定して約束を守れないような奴は辞めてくれ等と言われました。

これらはパワハラや退職勧奨になるのではないでしょうか。

過剰な目標管理について

過剰なノルマの強制なのか、会社が求める業務遂行能力なのか目標管理という側面で見ると、非常に難しい問題です。

見方によってはどちらの良い分も正しく見えることがあります。

しかし、だからといってあきらめてはいけません。まず自分ができる自己の防衛と、できる限りの対策を考えることが必要となります。

自分ができるパワハラ対策

自分でできる自己防衛のための対策を考えてみましょう。

まず、ほんとうに精神的に追いつめられた状況におかれているのならば、心療内科で一度診察してもらうことをお勧めします。

まじめな労働者は「自分はこれくらい大丈夫だ。」とか「この程度へこたれていたらいけない」だとか、無理をする傾向があります。

しかし、考えすぎて夜眠れない、だとか睡眠が浅くて体がけだるい感覚があったりそのような傾向があるのなら無理せず休みを取って心療内科で診てもらうことが大切であることを忘れないでください。

また、あなたの苦しみを相談にのってくれる機関もあります。労働局が設置している総合労働相談コーナー等も労働者の悩みを無料で相談に応じてくれます。

▶︎▶︎厚生労働省の総合労働相談コーナー

このような機関を利用することで少しでもあなたの味方になってくれる人相談を受けてくれる人を捜してみてください。

会社側の反論を予想した行動をとる

パワハラが行き過ぎたもので悪質であったり退職強要のように「辞めろ」などと言ってくる場合は自分を守ることが必要になります。

そして労働紛争になることも予想されます。紛争になった場合、会社側には会社側の主張が述べられます。

ここでは会社はどのような主張をしてくるか、そして普段からどういうことに気をつけたら良いのかについても考えてみましょう。

会社側の主張「他の社員は当然に達成している目標なのに彼だけできない」

おそらく会社側が主張する一番予想される反論はこのようなことでしょう。

当然ですが、違うのなら徹底して反論する必要があります。できるだけその証拠を残しておきましょう。また、仲間の同僚の証言等も大切になります。普段から最低一人でも証言してもらえる仲間を作ってこくことも有効です。

実際に会社の同僚が達成している目標なのに自分だけ達成してない場合もあるでしょう。それでもあきらめる必要はありません。

全ての社員が公平なノルマや目標が設定されているとは限りませんし、会社側がその業務を遂行するためにどれだけ労働者を教育したか指導したかが問われます。

また、指導の仕方に怒鳴り上げ暴力まがいのことをすることや、相手の人格を否定するような行為は許されてはなりません。そのようなことが含まれているのならできるだけ証拠をとり、上司に「人格否定はやめてください。」と主張し、メモを取っておくことをお勧めします。

過剰な目標やノルマに対して労働者は何ができるか

会社は利益を追求するために組織されています。そのためある程度の競争や目標のための努力というのは大切になることも事実です。

しかし、働く人の心身を害してまで利益を追求するなどあってはいけません。また、人格を否定するような人権に関わることを侵害する権利もありません。

それらを野放しにしておくことの方が社会にとって公序良俗に反することだと思います。

もし過剰なノルマや目標で苦しめられているのなら、勇気を持って行動することが大切になると思います。

社員教育制度でブラック企業か判断する方法

新入社員がブラック企業を見分ける方法

[alert-note]この中でどれがブラック企業?

  • 「部下を鍛える会社」
  • 「部下をかわいがる会社」
  • 「人を育てる会社」

[/alert-note]
新入社員にとって自分が働いている会社がブラック企業であるのか、それとも優良企業であるのか判断するのはむずかしいでしょう。

社会経験が少ない新人にとって社会とは甘くない、厳しいものだという覚悟くらいはあるでしょう。

自分にとってはブラックとしか思えないけど周りの人は何も文句を言わずに働いている。そういう環境で働いていたら、ほんとうはブラック企業なのにブラック企業と気づけないと思います。

まわりと同じように働き続けて気づいたら転職不能の年齢で経営難になりリストラされるなんて悲劇が待ち受けているかもしれません

そんな取り返しのつかないような失敗をしないためにもどうやったら新入社員がブラック企業を見分けることができるのでしょうか。

ブラック企業かどうかを判断する要素で以前は書類等の法律上必要なものが整備されていない企業をブラック企業と紹介しました。

それらは法律違反をしている企業なので、一発でブラック企業と見分けることができます。

しかし、世の中には法律違反をしていないけど、働き続ける価値のない会社というのもいくらでもあるのです。

社員教育制度今回はこれに注目してブラック企業か判断する方法を説明しましょう。

どんなブラック企業であろうとも、一人親方の会社でない限り従業員がいなければ仕事はできません。

ですから、会社には必ず人を育て、人を評価する環境やシステム、価値観が存在します。人の育て方でブラック企業が判断できます。

 部下を鍛える

部下を鍛える会社はえてしてブラックである可能性が多いです。

日本型雇用の特徴に終身雇用年功序列企業別労働組合というのがあります。

この日本型雇用はメリットがあると同時にブラック企業を作り上げるデメリットもあります。

この日本型雇用は元来、会社内で技術を覚え鍛えた従業員が他の会社に情報等を流出できない目的で強化されました。つまり会社間の移動ができないということは。転職しても使えないということです。

会社で鍛えられた人間は盲目的にその会社専用の労働者に育て上げられるのです。

 部下をかわいがる

よく上司に対して感謝の意を表するとき「わたしは部長にかわいがられまして」などと言っている人を見かけます。

このような表現がある会社はたいてい人間関係で派閥のあるブラック企業です。

多くの大企業ではこのような人間関係による派閥が生産効率的に問題があることを把握して常に改善されています。

ですから、まともな人事考課が整備されている会社では上司にかわいがられる等と表現するような人は現れにくくなっています。

しかしながら日本の旧き人間関係を重視するような会社であると未だに「かわいがられた者」が出世する人事制度を導入しているところがあります。このような会社はブラック企業と判断できますので注意が必要です。

 人を育てる会社

最後にブラック企業を判断する上で大切なのは人を育てる会社かどうかです。今一番求められているのは人を育てる優良企業です。

人を育てる会社はその会社でしか通用しない技術だけの承継を考えていません。

総合的な人間力を鍛え上げるように人を育てます。だから人が育った会社はかならず新入社員も単なる労働力としてみるようなことをしません。

人間力を高められる会社であればたとえ今後会社が経営難に陥ったとしても人間力を育てられた社員がうまく立ち回ってくれます。

また、たとえ他の会社に行くことになろうとも人間力はどの会社であろうとも応用力があり、困難に立ち向かえます。

自分が入社した会社がブラック企業かどうかを判断するとき、ほんとうに自分が人として育つことができる環境か、上司は人間力のある人物が選ばれているのかを自分の目で見て判断することが求められます。

過重労働

残業代の正しい計算の仕方

残業代の計算の仕方

[alert-note] 残業代の計算の仕方原則
・1日8時間以上1週間40時間以上の労働(25%割増)
・夜10時以降に働いた場合(25%割増)
・休日に労働した場合(35%割増)[/alert-note]

1日8時間以上1週間40時間以上の労働

1日8時間以上1週間に40時間以上働いた場合は割り増し賃金を払わないといけません。

働いたのなら働いた分の賃金を支払うのが会社の義務です。働いたのに働いていないことにすることはできません。

これは賃金支払日以降いつでも請求することができます。ただし時効は2年となります。

残業について割増賃金の計算の考え方は下の図を参考にしてください。

時間外労働・残業

夜10時以降に働いた仕事

夜10時以降に働いた仕事も割増賃金を支払わないといけません。

夜10時以降の深夜に働いた賃金の割増は25%となっています。1日8時間以上働いたときに割増される時間外労働も25%と同額のために同じと考えられがちです。

しかし、深夜の手当と時間外の割増は別のものと考えてください。

深夜時間に働いた場合25%の割増になりますがそれに1日8時間以上働いていた場合は50%の割増となります。

逆に仕事の開始時間が夜の10時からなどのばあいは深夜の割り増しはありますが、1日8時間以上の割り増し賃金は8時間以降になります。

休日に働いた場合は35%の割り増し

休日に働いた場合は35%の割り増し賃金を支払うことになります。

ただし、ここでいう休日とは必ずしも日曜日や祝日をさして休日という訳ではありません。

ですから、日曜日に働いたらかならず35%の割り増しになると考えるのは早急です。

ここで言う休日とは法律にある使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならないという休日を言います。

つまり、1週間に1日の休日を与えればよく、それが日曜日であることまでは定められていません。

ただし、時間外労働の1週間40時間以上の労働には時間外割り増しになりますので1日8時間労働の場合は残りの2日は時間外割り増しが必要になり、そのうちの1日は休日割り増しも加算しなければならなくなります。

休日は日曜日でなくても良いについて

休日を換算するのはかならずしも日曜日である必要はありません。

1週間のうちに1日休日であればよいという考え方です。

では、会社にとって都合の良い日を勝手に休日にしていけば良いのか?となりますがそれも認められません。

会社はあらかじめ就業規則などで会社にとって1週間の休日が週の何曜日にあたるのかを決めておく必要があります。

しかし、もともと労働基準法などを守る気もないブラック企業などはこのような休日を制定していないところも多くあります。

そのような場合は、会社に1週間のうちの休日を決めること、そして今まで休日に働いた分は支払われていない賃金として払ってもらうよう請求することなど対策をとることをお勧めします。

給料を下げられた、会社は正社員もバイトも賃金を勝手に減らしていいの?

給料を勝手に減らしてもいいの?

「ノルマを達成してないから給料を下げたい」

「アルバイトやパートの給料は来月から下げることにした」

「会社の業績が悪いから給料を下げざるを得ない」

このような理由によって従業員の給料を下げることはできるでしょうか?

答えはNOです。

会社は一方的に給料を減らすことはできない

賃金というのは働いた対価として請求できるお金です。

労働者は会社の指示に従って働きます。それに対して会社は労働者に対価を支払う義務があります。

働く人はこの賃金でもって生活をします。生活の基盤となるものがお金であり。

その生活の基盤のお金を会社の都合で一方的に減らされることは生活自体を大きく揺るがすものとなります。

そのようなことを会社側の都合で一方的に決められるということはできません。

法律ではどうなっているのか?

賃金の支払いに関しては労働基準法で定められています。

労働基準法第24条
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。

ここで言われている、「支払われなければならない」賃金とは労働者と経営者が一番最初に仕事をする約束で決めた賃金のことを言います。

もちろんそれらは就業規則などで細かく決められているものであります。

ですので、アルバイトの給料は下げることにする。だとか、ノルマが低いから賃金を減額するなどというルール破りが勝手に作り上げることなどできません。

しかし、「無い袖は振れない」とばかりに、支払わなければならない賃金が支払われなかったり、会社が銀行口座に振り込んでくれないというようなことはありえます。

そのような時は上に掲げた、労働基準法に違反することになります。

労働基準法に違反しているのならば労働基準監督署へ賃金が支払われないと申告に行くと良いでしょう。

そのさい労働基準監督署へもっていくものは、賃金の支払いを約束した書類、雇用契約書や労働条件通知書等と支払われない事実が書かれた給与明細なども持っていけば、説得力のあるものとなります。

もちろん、最初はよくわからなければそれら証拠を持っていかなくてもよいです。

ワンポイント

入社した時に会社からもらう書類資料でブラックかどうか注意し確認した方が良いこと

自分の会社にだまされないために

[alert-note] 入社したら必ず確認する書類
労働条件通知書を受け取る(絶対)
就業規則を確認する[/alert-note]

会社に入社したとき、たとえアルバイトであろうと、労働者と会社が仕事をすると契約をした時から多くの制限や義務がかかります。

会社に入社したばかりの労働者はまずは自分と会社がどのように約束をしたのか書類で確認する必要があります。

それが「労働条件通知書」と呼ばれるものです。

労働条件通知書とはどういうものか

この会社と労働者の契約した内容を書面で交付してあきらかにすることは法律で定められています

ですから、この労働条件通知書を交付しない会社は法律を知らない会社だと思って間違いないです。

この労働条件通知書は最初に約束したことが書かれている書類です。しっかり読んで、面接の時に言っていたことと違うことが言ってないのか確かめてください。

面接の時には会社の社長がとても都合の良いことを言っていたのに労働条件通知書では厳しい内容になっていた場合、労働条件通知書に書かれている内容の方が正しい労働条件であると判断される可能性が高いです。

そのためにしっかりよく読んで最初の約束と話が違うことは書かれていないのか確認することは労働者の義務と思ってください。

労働条件通知書には書かれていない
もっと細かいことは就業規則に書かれている

労働条件通知書に書かれていることは主に仕事の内容だとか、時給制なのか月給なのかなどの給料の計算の仕方などが書かれています。

しかしもっと細かいこと、退職に関する細かなルールだとか職場のルールだとかは就業規則という会社のルールブックに書かれています。

これはアルバイトやパートを含む10人以上従業員がいる会社ならどこの会社でもそろえないといけない会社のルールを定めた書類です。

これは従業員も従わないといけないルールブックであるので、誰でも見れるように設置しなければなりません。

しかし、ルールを定めるということは会社にとってもルールで縛ることになります。

ですから、ブラック企業だとこの就業規則を定めていない会社があります。

ルールが定まっていない会社で働くほど危険なことはありません。なぜなら、そのルールを会社の社長が都合よくいつでも変更できて、従業員に不利な労働を強いる可能性があるからです。

しかし、そのような状況がいつでもまかり通るという訳ではありません。

おかしいことは会社の社長に告げて、法律違反があるのなら労働基準監督署へ申告するさえすればそのような違法なルールは是正されます。

ですから、過酷な労働を強いる会社に対してはどうどうと労働基準監督署に相談することをお勧めします。

不注意

休職後職場復帰した社員の42%がその後退職、うつ病などのメンタルヘルスからの職場復帰の問題

精神疾患からの休職後の職場復帰の現状

うつ病などメンタルヘルスの不調で会社を休職した社員の42.3%が、休職制度の利用中や職場復帰後に退職しているとの調査結果を、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」(東京・練馬)が18日までにまとめた。休職できる期間が短く治療が十分でないことや、復職後の支援体制が不十分なことが退職の背景にあるとみられる。

退職者の多さは企業経営にとっても大きな損失で、就業継続への取り組みが不可欠だ。

調査は2012年11月に実施。メンタルヘルスやがん、脳疾患、糖尿病などによる病気について、休職制度の有無や期間、退職・復職の状況などを尋ねた。5904社が回答した。

調査結果によると、過去3年間にメンタル不調を理由に休職制度を利用した社員の退職率は、全疾病平均の37.8%を4.5ポイント上回った。

最も高いのはがんの42.7%だが、がんによる休職は50代以上の割合が高く、定年など病気以外の理由による退職も多数含まれているとみられる。同機構の奥田栄二主任調査員補佐は「メンタル不調は30代以下の割合が高いため、病気を直接の原因とする退職率はメンタル不調が最も高いと考えられる」としている。

また、メンタル不調者の退職率は休職制度の上限期間が短い企業ほど高い傾向があり、上限が3カ月までの場合は、59.3%が離職。2年6カ月超3年までの企業では29.8%で、2倍の差が出た。企業の規模別でみると、上限期間の短い企業が多い中小(50人以上100人未満)は退職率も48.0%と、千人以上の企業より15ポイント高かった。

復職後に短時間勤務などの「試し出勤」や、産業医面談などのフォローアップを実施していない企業の退職率も実施企業より高かった。

企業が最も対策を重視している疾病として挙げた割合が高いのは、メンタルヘルスが21.9%で、生活習慣病(8.9%)やがん(5.4%)を大きく上回った。http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1800V_Y4A310C1CR8000/

うつ病などのメンタルヘルス問題で、精神疾患を患った場合、会社が従業員を休職扱いする制度が整備されていることが多いです。

しかし、その休職制度が実際に形骸化して従業員の精神疾患が本来的に完治すること無くやむなく会社を退職することが多いとのことです。

会社の休職制度は有効に活用されているのか?

実際に大企業でない限り精神疾患のものが休職を手厚く保護する福祉制度を導入する余裕のある会社は少ないです。

休職者が出ることによりそれだけで他の従業員に多大な負担がかかるということで、給食するくらいなら辞めてもらいたいと考えている経営者も多くいます。

そのため、メンタルに不調をきたす休職者が十分な療養を得ることもできずに職場復帰し、結果として無理がたたり職場を去ることが現状としてあります。

今回の調査で42%もの人が休職制度を利用したにも関わらず、完治せずに退職しているということからもそれがわかるものと思われます。

本来なら、離職による会社の損失を防ぐために制度化された休職制度が効果的に機能するのが望ましいですが、現実は休職がそのまま退職へと促される逆効果になっている現状は労使ともに損失であるのではないでしょうか。

会社側が精神疾患に対してのフォローをすることによる企業経営の改善が求められるところであります。

サービス残業を立証する証拠の集め方 長時間労働に困ってる労働者のために

長時間労働の証拠となるものについて

労働者がみずからの労働時間を労働基準監督署へ申告する場合に証拠となるものについてまとめてみました。

[alert-note]・タイムカード
・出勤簿
・給与明細書
・パソコンのログイン記録
・メールの送信記録
・会議の議事録や業務日報
・同僚の証言など
[/alert-note]

サービス残業の未払い残業代の時効は2年です。

会社を辞めたあとに働いていた職場に対して未払賃金を請求する人を最近良く見かけるようになりました。

労働問題に接していると、働いている期間に会社に対してサービス残業を請求することはなかなか勇気が必要となり、多くの人が躊躇します。

しかし、何らかの理由で離職した人、退職した人が元いた会社に今までの違法なサービス残業を請求しようと考えるようになるようです。

また、長時間労働によるうつ病などの精神疾患の発症に関しても労働時間の記録などの収集が必要になる場合があります。

このような労働時間は本来なら会社側が労働時間を管理してそれら資料を提出するべきであるのですが、素直に協力する会社ばかりではありません。

そのために弁護士さんに依頼して裁判所を通した資料提出するなどの手段が必要な場合があります。

特に本人が働いている時に使用していたパソコンなどのログインの記録やメールの送受信記録などは離職したあとでは回収するのが自力では難しいことなどがあるので注意が必要です。

またそれらの資料などがない場合でも共に働いていた同僚の証言なども有効となる場合があります。ですので、証拠がないというだけで諦めなければならないということはないので、一緒に働いていた仲間に相談してみることも効果的だと思われます。

同僚からの証言を陳述書などという形で証拠として提出できないか探ってみてください。

しかし、同僚がまだその職場で働いている場合、職場にいられにくいという事情などもあり、積極的に協力してくれることが難しいこともあるので慎重に相談することが必要だと思われます。

時間

雑用をする時間や車の整備時間作業着に着替える時間は賃金が支払われる労働時間か?

雑用の時間は労働時間で給料がもらえるのか?

【結論】

雑用時間や、着替えの時間、車の整備の時間など実際の業務とは違う時間でも多くの場合労働時間と判断されます。

【よくある相談事例】

よく会社の社長に「こんな雑用時間に給料は払えない自分持ちでやってくれ」とか「作業着に着替える時間はタイムカードを押すな」とか「車の整備は自己責任だからその時間は給料はやれんよ」などと言うことがあります。

しかし、そのような時間でも、チリも積もれば山となりますし会社の業務と深い関係があるのに労働時間と認められないようでは労働者の方も納得しにくいことだと思います。

実は、これはほとんどの場合に労働時間として給料が発生するケースとして認められることが多いです。

労働時間とは何か

労働というのはもともと会社の経営者や社長などの指揮監督下にあることをいいます。

かならずしも本来的業務を行っている時間だけ、あるいは何らかの利益が発生している時間だけが労働時間という考え方ではありません。

ですので、たとえばタクシー会社の運転手がお客さんを車に乗せて運転している時間だけが労働時間で、車の整備をしている時間は労働時間ではないということは言えないと判断されます。

また、積み荷などがある運搬の事業に従事する労働者などは、その積み荷の到着を待つために待機している時間であっても、休憩時間ではなく、労働時間であると判断されます。

作業服への着替えに関しても、その作業服などが職務の性質から考えて、作業のために着用する必要がある場合などは、労働時間と判断されます。

しかし、たとえば、本人の自由意志で参加するもの、本人が単に作業しやすいという理由で着替えたり、する場合は労働時間とは判断されないこともあります。

休憩時間中のラジを体操など、本人の参加意思が本人の自由に任せられていると認められる場合は労働時間には含められません。

労働時間と判断できる場合の対処法

労働時間として判断されると思われる場合は、まずは直接に経営者と話し合うことが必要となります。

タイムカードなど打刻しても、会社側が一方的に労働時間と認めずに、その時間をのぞいた時間の給料計算などをしてくる場合などは、賃金全額支給がされてないと認められる可能性があります。

そのような場合は、労働基準監督署へ相談するのがよいでしょう。

労働者の働く労働時間に対して賃金が支払われるのは当然の義務であります。

しっかりと、自分が働いた対価としての賃金を支払ってもらうように行動をとることが大切です。

正社員が陰でアルバイトをやっても良いのか?兼業や副業はどこまでが可能か

正社員のアルバイトや副業について

正社員だから副業やアルバイトをやってはいけないという法律は無いです。

だからといって、いつでも何でも副業できる訳ではありません。

正社員で副業やアルバイトを考えているひとには慎重に会社のルールなどを確認してみることをお勧めします。

正社員でアルバイトや副業などやってはならない例

就業規則に二重就職を禁止する規定がある場合であって、

  1. 労務の提供が不能または困難になるのを防ぐ必要がある。
  2. 兼業により競合他社への情報漏洩を防ぐ必要がある。
  3. 会社の信用を損なう恐れがある場合

と言った場合に会社は兼業を禁じることができます。

労働者の副業やアルバイトをする権利との兼ね合いについて

労働者は労働契約を通じて1日のうち一定の限られた時間のみ、労務に服するのを原則とされています。

就業規則で兼業を全面的に禁止することは特別の場合をのぞき合理性を欠くと判断されます。

正社員はアルバイトや副業の注意点

正社員で雇用をしている場合、会社は労働者の雇用を守り、安全を配慮して賃金を支払う代わりに、正社員としての労務の提供を期待していることになります。

つまり、副業などをすることにより、体力的にも精神的にも疲労して会社でしっかりと働きをしてもらえない場合は、会社は副業を禁止することができると考えられます。

また、その禁止命令に従わない場合は、会社のルールに従って対処されることがあります。

そのため、正社員であってどうしても副業を考えているひとは、まずは会社のルールに従って、副業許可を得るための手続きが必要であるかどうかなどを確認してみる必要があります。

また、会社の信頼を損ねるような副業であれば、禁止することができるため、単にお金が儲かるからという理由からの副業などは自粛した方がよいと思われます。

アルバイトや副業だから全てダメという訳ではない。

以上書いてきましたように、正社員だからすべてアルバイトや副業は禁止されるという訳ではありません。

会社の就業規則等のルールを把握した上で、業務に影響をきたしたり、会社の信頼を損ねるようなアルバイトや副業は控えるようにした方が良いです。

サービス残業

営業手当でサービス残業させるブラック企業、求人募集や入社面接等で注意が必要

営業手当という名の残業代

サービス残業

サービス残業にならないために

  1. 残業代が営業手当等の給料に含まれている場合、手当分以上の残業は計算しないといけない
  2. 残業代が給料に含まれる場合就業規則などに明記して従業員もその根拠を知っていないと効果はない

サービス残業って言葉をよく聞くけど、いったいこれが本当に法律違反なのかどうしたらサービス残業をしないですむのかの判断や対策って難しいですよね。

「業務がおくれたのは自分の責任だし、こんなので残業代請求できないよ」とか

「残業代をつけて欲しいと思ってしっかりタイムカード押しても給料明細に残業代がついてないけどどうして?」とか

モヤモヤした気分のままに、「結局残業代を計算しても月に1万円くらいにしかならないし、そのことで上司に嫌われることは嫌だな」なんて日本人らしい謙虚さからサービス残業に対する不満やストレスを我慢している人もいるみたいです。

このサービス残業について以前もどういうふうにブラック企業がサービス残業をさせるのかその方法について書きました。

サービス残業を強制する手口、ブラック企業の賃金未払いに気をつけて|ブラック企業対策室

今回はその中でみなし残業(固定残業)時間制にするという方法について詳しく書いてみたいと思います。

サービス残業と判断する方法

中小零細企業でブラック企業の場合残業代が給料明細についていないことがあります。

せっかく頑張って残業してもどうしても腑に落ちない残業代の計算の仕方というのもあります。

このような場合サービス残業として賃金の支払を請求することが出来るのでしょうか?

ここですぐにサービス残業であるかと考える前に注意してほしいことがあります。それは会社側が法定労働時間を超えて労働させても割増賃金を支払っているという根拠です。

それは就業規則などに営業手当などが残業代として含まれていると規定されているかどうかです。

労働トラブルが多い企業の場合はこの規定が就業規則や賃金規定に明記されていません。ブラック企業の場合就業規則すら存在していないことがあります。

そのような場合は、残業代が未払である可能性が濃厚であり、しっかりと会社側に残業代を支払うように請求することが重要となります。

しかし、就業規則などに従業員の知らないところでこっそりと明記されている場合があります。本来なら就業規則に明記されて従業員に周知することが就業規則の効果を発揮する要件なのですがトラブル体質の会社ではそのようなことは隠されていることが多いです。

このような場合は、多くの場合は残業代は支払われているとみなされる場合もありますが、従業員にも不満は残りトラブルの種になることは明白です。

そして、このように会社にだまされないためにもしっかりと残業代を計算するための根拠を理解しておく必要があります。

営業手当などが残業代を含む計算方法

就業規則が整備されていて、営業手当などに残業代が含まれている場合があります。

そのようなことがある会社というのは基本的に残業代の計算を簡略さするためにまとめて払う仕組みを取り入れているのが実態です。

しかしそのような慣習を利用してブラック企業が残業代の支払いをごまかすことを考えることがあります。

そんなことがないようにここで営業手当などに残業代が含まれる時の計算方法について簡単に説明します。

営業手当が3万円支払われているとします。

時給1000円換算で働いている人が法定時間外の労働を行った場合は1250円の割増賃金を支払う必要があります。

ここで既に払われている30000円の営業手当は24時間分の時間外労働の賃金とみなされます。

働いた月の時間外労働が24時間以内の場合は全額30000円が支払われることになります。

24時間を超えて残業した場合はその時間を超えて働いた分は割増賃金を付け加えなければなりません。

これが払われない場合、割増賃金を未払いとして請求することができます。

このような手法を取り入れる会社は従業員の仕事に対する満足度をあげるためにも公平かつ誠実に賃金計算をすることが求められますが、昨今のブラック企業批判などを鑑みると正確に機能していないのではないかと思われます。

労働者もだまされないためにも自らの権利に対してしっかりと主張していく労働環境が求められているのではないでしょうか。

格差

バイト・パートの残業トラブル残業代が支払われない残業命令に従うべきか等の労働相談

アルバイトの残業代トラブル防止のために

アルバイトだからという理由で、お給料や残業をした時の賃金がごまかされているのではないかと心配している人が多いみたいです。

確かに労働法を知らずに「うちの会社ではこういう計算なんだ」と言われてしまえば、それが違法な計算方法なのか、それともちょっと特殊だけど合法的な計算方法なのか、判断がしにくいことがあると思います。

そういうことで会社から誤魔化されたお給料で満足しないためにも今回はアルバイト社員やパートタイム労働者のために残業代の考え方を説明したいと思います。

残業してくれと言われたら必ず残業するのか
残業代は出るのか

アルバイトとして働いているのに残業を命じられる場合があります。アルバイトとはいえ都合よく使われるために働いているわけではなく計画を立てて仕事をしている人にとっては残業は納得がいかないことも理解できます。

このような場合はたして残業を拒否して帰ることができるのでしょうか?

これは基本的には最初の面接の時の約束が大切だと考えます。アルバイトの面接の時などに「残業がある時は出てもらえますか?」と聞かれて、面接で合格したいために「はいできます」と言えば残業するのは当然です。

しかし、面接などの時の説明でしっかりと学生なら「試験期間は残業ができません」とか主婦なら「幼稚園の送り迎えをしないといけないので残業はできません」と約束をしていたのなら基本的には残業ができないものであります。

しかし、トラブルに成るのは最初にそのような約束をしておきながら、会社側の店長やオーナーが「店が忙しい時は出る約束だ」などと手のひらを返す時がトラブルになります。

残業命令の根拠

基本的に会社が従業員やアルバイトに残業を命令するときは就業規則という会社のルールに従って残業命令をします。そのような就業規則がないのに残業命令をする会社はブラック企業の可能性がかなり高いと見てよいです。

そして、面接の時にどのような約束をしたのか口約束であったなら会社側と労働者側のどちらの主張が正しいのか判断することは難しくなります。

そのようなことがないようにできれば会社側の人が書面で約束事を明らかにしておくことが大切になるのですがもともとトラブル体質の会社だとそのようなことは用意されていません。そこが残業の問題で労働トラブルになる原因でも有り、そのような状況で残業をさせる会社は従業員の満足度も低く労働生産性にも悪い影響を与えがちになります。

 残業代は支払われるのか

とうぜんのことでありますが、残業代は働いた分だけ支払われなければなりません。ただし、ここで残業代の計算に関して注意が必要です。

一言で残業と言っても2種類の残業が有ります。一つは所定労働時間外の労働で、もう一つは法定労働時間外の残業です。

これらは原則として同じ残業であり、残業代の計算の基礎となりますが、残業代の計算方法に若干の違いが有ります。

この時間外労働による残業方法の計算の違いについては以前の記事を参考にしてください。

労働基準法から考える時間外労働や残業について|ブラック企業対策室

アルバイトやパートの方は基本的に一日の労働時間が8時間を超えて労働する人は少ないと思われます。

ですから、残業時間の計算は一般的な残業の計算である割増賃金に関しては考慮されず、働いた時間分の時給で計算されると思われます。

残業トラブルを防ぐために

残業に関するトラブルは主に最初の面接時で問題があることが多いです。

とりあえず人手不足を解消したい会社側と、まずは入社して働きたい労働者側がお互いの条件をはっきりと明示せずに曖昧にさせたまま契約することが問題だと思われます。

この点は会社側がはっきりとした形で書面に明示することが求められますが、そのようなことを用意する会社は中小零細企業では少ないのが現状です。

労働トラブルを防止するためにも残業することに支障があるのなら労働者側からはっきりと、「残業はできません。」とできないという前提ではたらくという意思表示をすることが大切になるのではと思います。

また、アルバイトの面接時に約束された労働条件が明示されている書面をしっかりと受け取ることも忘れてはなりません。