児童ポルノ有罪でも解雇無効との社会通念(大津地裁判決)

児童ポルノ有罪でも解雇無効との社会通念(大津地裁判決)

労働問題の鍵

ブラック企業に吠えろ

軽微な犯罪行為で会社を懲戒解雇されたのは解雇権の乱用だとして、滋賀県野洲市内の40代男性が村田製作所(京都府長岡京市)を相手取り、雇用契約上の地位確認と解雇後の月37万円の賃金支払いなどを求めた訴訟の判決が5日、大津地裁であり、宮本博文裁判官は、解雇は無効として雇用契約上の地位を認め、同社に未払い賃金の支払いを命じた。

こちらの事件は控訴審判決があります。以下をご覧ください。

村田製作所懲戒解雇事件に控訴審判決「処分に合理的理由」

今回の判決で見るべきポイント

地裁判決であるが、今回の判決で労働問題の視点で見るべきポイントとしてとりあげてみたい。

それほど大きく話題となる様な要素は多くない、ただ労働者の労働の権利、そして解雇権濫用と判断される社会通念上の相当性というのは、軽微な犯罪では有功に成らないということを改めて知る良い機会になったのではないかと思う。

今回の児童ポルノ所持での有罪は会社に損害を与えたとはいえないという目新しい軽犯罪が注目されることになった。

ここで今までの軽微な犯罪に関してはどのような判決がくだされたのかみてみよう。

たとえば飲酒運転などを例に取ってみる。

飲酒運転の場合は、解雇が有効になるには就業規則による規定のされ方や、飲酒運転に対する会社の取り決めの仕方によって大きく異ると思われる。

しかしおおむね飲酒運転程度で解雇が有効になることは、運転に関する業務や車を取り扱う業務の企業ではないかぎりないだろう。

では今回の児童ポルノはどうか、社会通念上に飲酒運転とは違い会社のイメージを大きく損なうおそれがあるかどうかが争われたのである。

わたくしとしては、今回の裁判で解雇が無効となったことがマスコミに流れたほうがよほど会社にダメージが与えられたと思うのだが、それは結果論に過ぎない。

そして当然といえば当然で児童ポルノの所持は解雇を有効とするほどの会社への損害とは認められないとの判決であったのだ。

児童ポルノ所持というある意味時流的な問題にも解雇は無効となることが明らかになり、労働者のはたらく権利はなおも強いことが明らかになったことは良いことである。

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