労働基準監督署に解雇について相談に行っても何もしてくれない理由

労働基準監督署に解雇について相談に行っても何もしてくれない理由

労働基準監督署

労働基準監督署とは

労働基準監督署のことを労働者の視点から考えると、悪いブラック企業の経営者を葵の御紋で成敗してくれる頼もしい正義の味方とお考えの人も多いと思います。

何かあったらきっと労基署が動いてくれる、監督署の監督官は弱い立場の労働者の味方になってくれるそう信じていつか来る正義の鉄槌をブラック企業の経営者に与えてくれると考えがちです。

しかし残念ながらそれはちょっと労働基準監督官を過信し過ぎかもしれません。労働基準監督官と言っても全てが同じタイプの公務員というわけではないので、熱いパッションをお持ちの正義感あふれる労働基準監督官もおられます。

でも基本的には労働基準監督官は定められたルールの中で基準に則った監督行為を行うのみにとどまります。

労働基準監督署がなかなか助けてくれないのはなぜ?

もう絶対許せない、あんなブラック企業は今までこちらが黙っていたけど、絶対労基署に訴えてやる。そう意気込んで初めて労働基準監督署に駆け込んだのに、簡単なお悩み相談のように聞かれた後、窓口でそうそうに帰された経験がある人は多いのではないのかと思います。

なぜそのようなことになるのか、労働者自身、労働問題に関して詳しくなかったりポイントを押さえて労働法を把握していなかったりするために何を訴えるべきなのか理解していないのが原因であると思われます。

例えば解雇に関しては労働基準法ではなく労働契約法で解雇は客観的合理性と社会的相当性が問われ解雇権濫用とみなされますがこの客観的合理性と社会的相当性は労働基準監督署では判断できません。

あなたが不当に解雇されたことに憤慨していたとしてもそれが客観的に合理的であったかどうかを判断するための証拠やそれを調べる権限など労働基準監督署長にはないのです。司法に判断を委ねるしかありません。

ではサービス残業についてはどうでしょうか。サービス残業は以前このブログでも書いたとおり、

残業手当の未払い時間外労働について労働基準法ではどうなっているか

でも書いたとおり、労働基準法に明確に違反しています。ですから労働基準監督署の方でも法律違反としてしっかり動いてくれると思われます。

しかし、実はここでも大きな問題が立ちはだかります。

たしかにサービス残業とは明確な労働基準法違反です。時速50キロで走行する制限がある道路を70キロで走行したらスピード違反で捕まるように、労働者からすれば少しでも労働基準法違反としてサービス残業をさせるようなブラック企業には労働基準監督署は違反の取り締まりをしてほしいと考えるでしょう。

しかし、明確に違反していると考えるには、どうしてもそれらの証拠が必要となるのです。

実際に労働基準監督署に訴えに来ているあなたが、本当に労働者であるのか、窓口にいる人はわかりません。窓口にいる人からすれば、もしかしたらあなたは単に会社のライバル会社の嫌がらせ要員かもしれないとその可能性の一つを考えているかもしれません。

また、労働者であったとしても本当にあなたが法定労働時間を超えて労働していたのか、そしてあなたが法定労働時間を超えて労働しているにもかかわらず経営者は賃金を払わなかったという事実があるのかどうか、それらが全て揃わないとあなたの主張が正しいのかわかりません。

あるいは揃わないにしてもなんらかの確信に至るものがない限りあなたの主張を全面的に受け入れられるのは難しいかもしれません。

そのような時に必要となるのがやはりなによりも労働法に関する知識だと思います。労働基準法は労働者を保護するための法律ですが、使い方をしっかりと学んだ上で有効に活用しないと効果が無いと思われます。

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