若者の使い捨てするブラック企業重点監督の実施状況に見る法令違反の問題

若者の使い捨てするブラック企業重点監督の実施状況に見る法令違反の問題

ワンポイント

ブラック企業が若者を使い捨てにする手口

2013年に厚生労働省が実施した若者を使い捨てにする企業の重点監督の実施で重点監督した事業所5111のうち違反状況が4189指摘されていました。その重点監督の結果はこちらです。

その中でも一番違法がみつけられたものは違法な時間外労働で2241件でした。これは全体の43.8%にも登ります。

次に多かったのが賃金不払い残業があったもの1221件23.9%となっています。

ただここで一つこの調査の疑問点を取り上げれば、若者を使い捨てにする会社と調査に入った会社が過重労働重点監督による長時間労働を調査の対象として重点的に見ている点です。

労働基準法に則って会社に調査に入る以上、労働基準法違反の長時間労働が重視されそれ以外の若者を使い捨てにする要素に関してはなかなか踏み込めないという労働基準監督官の難しい状況を示している結果ではないかと思われます。

若者の使い捨てとは長時間労働だけだろうか

今回の厚生労働省の調査にあたって基準としたものが労働基準法であり、労働基準法違反をしているかどうかで若者を使い捨てていると疑われると見ていますが、これはある意味行政の限界を示している結果であり、おそらく社会問題として取り上げられているブラック企業の問題とは少し論点がずれているのではないのかなと思われる部分もあります。

たしかに、サービス残業というのは労働者にとって違法な賃金の不払いであり会社への忠誠心や勤労意欲等を損ない、喜ばしいものではないのは当然です。

また今回の厚生労働省の取り組みは評価すべきものであって今後も積極的に実施してもらいたいと思います。

しかし、社会問題として若者が直面しているブラック企業批判はもう少し違うところにあるのではないのかなと思います。

違法な時間外労働が解消して残業代が支払われるようになることがブラック企業の根絶になるのだろうかとの問題もあります。

わたしの知っているある若者はベンチャー企業を立ち上げています。わたしは助言する立場ではなく、この会社の労働契約等がどのような形になっているのか詳しくは知りませんが、おそらく蓋を開けてみたら、時間外労働などの長時間労働の面ではおそらく超ブラック企業でしょう。

しかし、そこで働く若者の目はイキイキとしていました。自分のやりたいことがやれている、未来に希望が持てるという若者らしいやりがいを掴んでいる様子でした。

このような会社は将来的には多くの面で問題が噴出することは予想されますが、少なくとも現時点では若者にとってのブラック企業とは呼べないのではないかなと思います。

ブラック企業とは法律違反だけだろうか

ブラック企業を論じる時、今の時点で行政が介入できるものは明確な法律違反に対してだけで限界だろうと思います。

しかし、ほんとうの意味で若者を苦しめているのは長時間労働と賃金不払いだけではないと思われます。

ではその原因はなにか?デフレか高齢化と人口減少か、グローバル化する社会が問題なのか、難しい問題ではありますが、長時間労働をしてもイキイキしているベンチャー企業で働く若者を見ていると法律違反だけが問題では無いのではないかそういう思いに駆られます。

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