首都圏大学非常勤講師組合、早稲田大学を労働基準法違反で刑事告発へ

首都圏大学非常勤講師組合、早稲田大学を労働基準法違反で刑事告発へ

労働問題

早稲田大学(鎌田薫総長)が新たに設けた非常勤講師の就業規則を巡り、制定の手続きに不正行為があった可能性があるとして、首都圏大学非常勤講師組合(松村比奈子委員長)は同大を近く労働基準法違反の疑いで刑事告発する。非正規労働者の契約は5年を超えて働いた場合、期間の定めのない雇用に転換できるなどとした改正労働契約法が1日から施行されたばかり。この法改正で、大学現場では非常勤の契約に新たに上限を設ける動きが出ているという。(略)毎日新聞http://mainichi.jp/

労働契約法が改正されたことに伴い期間の定めのある労働者を雇用する場合には5年を超えて雇用していた場合期間の定めのない安定した雇用になると改正されたことに対応するように、早稲田大学が就業規則を改定手続きに不備があったとして非常勤講師の組合が刑事告発に向けての手続きに入ったとのニュースだ。

このブログの読者の方からすれば全くタイムリーと思われるかもしれない、ちょうど就業規則の改定には従業員の意見を聞くだけでよく、それが反対意見であろうと同意までは求められていないことを知っているだろう。

会社が業務命令の根拠としての就業規則と労働契約|労働相談ニュース

筆者がツイッターでもつぶやいた時には多くのブログ閲覧を頂いたので覚えている方も多いかもしれないが、就業規則は会社側が一方的に作成することができる会社のルールであり、従業員全体に影響を持つ雇用契約と同等の効果を持つルールである。

就業規則の変更に必要とする要件

就業規則が合理的であり、従業員に周知されていたら有効とされ、個々の従業員はそれに不満があって指示に従わなかったら、業務命令違反として懲戒される恐れもあるものである。

この手続に不備があるとした今回の刑事告訴騒ぎは就業規則の改定には「従業員の意見を聞く」だけでいい手続きに不備があるとの非常勤講師組合の主張には無理があるものと思われる。

なぜなら、従業員の意見を聞く手続に関して公示したから意見を聞いたと言う大学側の主張に対して聞いてないと意見を聞くことを拒む行為が就業規則の改定の不備を主張することに対して有効であると判断されるとは到底予測できないからである。

がしかし、組合員側の主張したい理由も理解できる。なぜならもともと、就業規則の手続自体にこのように一方的に変更をして意見を聞いただけで同意も必要とせず労働契約が改定されるという慣行は会社側にあまりに有利なものであるからだ。

この就業規則の手続に対して対抗するくらいなら、今回の労働契約法の改正自体に反対運動をしたほうが社会的に意義があるものであったであろう。

今回のポイントと今後の予測

大学側(会社側)の就業規則の変更は「意見を聞く」だけでいいので組合(労働者側)が意見を聞く行為を何らかのかたちで妨げるのなら、公示したことにより意見を聞いたことにして就業規則の変更の手続を正当なものとしたい。

もともと、変更手続き自体、労働者の同意を得ていたら、変更が困難になるという手続き上の効率化が「意見を聞く」となっていたものであるから、組合側の主張は通らない可能性が強い。

今後の動向に注目して行きたい。

3 thoughts on “首都圏大学非常勤講師組合、早稲田大学を労働基準法違反で刑事告発へ

  1. Reply返信

    大学側(会社側)の就業規則の変更は「意見を聞く」だけでいい?
    http://nagatsuta-law.p-kit.com/page37748.html

  2. とおりすがり
    says:
    Reply返信

    大学側(会社側)の就業規則の変更は「意見を聞く」だけでいい?
    いいえ、そんなことは有りません。

    1. Reply返信

      コメントありがとうございます。
      ご指摘されているニュースに関しての説明しますが、
      労働基準監督署への届出としては意見を聞くだけで受理されるということです。
      意見を聞いて就業規則を届け出るという意味では労働基準法違反ではないのではないかと思います。
      就業規則の不利益変更に関してはご指摘くださったホームページの通り、合理的理由や変更の必要性や内容の相当性などから判断されます。
      ここで問題になっているのは労働基準法違反の刑事告発であり、それは無理があるのではないかと思います。

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