早死にする職業ランキングポイントは過重労働とストレス|日刊SPA

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早死にする職業ランキングポイントは過重労働とストレス|日刊SPA

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過酷な毎日を送る日本のサラリーマンにとって、生活の大部分を占めるのが仕事。それゆえ、職業選びは、人の寿命に大きく影響を与えているという。多数の企業で産業医として働く榛原藤夫氏はこう語る。

「事故が起こりやすい危険度の高い仕事などを除いた場合、職業が寿命と関連する要因は大きく分けて2つあります。ひとつは、『裁量権の有無』。自分で自分の仕事をコントロールできる人ほど、ストレスが低いので長生きする傾向がある。もうひとつは、『過重労働・暴飲暴食』。深夜までの残業や徹夜が当たり前の長時間労働や、接待続きなどの過剰飲酒は、当然体には悪い。この2つに焦点を当てた際、一番早死にしそうな職種と言われれば大手広告代理店の営業マンです。彼らは、徹夜仕事は当たり前の超激務ですが、裁量が少ない。加えてお客との接待で連日大酒を飲むことも珍しくない。給料やステータスは高いものの、体には負担ですよね」(中略

また、上記2点に加えて「勤務時間が不規則」な職業も、かなり寿命に影響を及ぼすという。

「不規則な生活は、当然、身体に害です。つまり、毎日ではなく、不定期に夜勤があるような仕事は健康に負担です。たとえば、病棟勤務の看護師や会社勤務のタクシー運転手や長距離トラック運転手。彼らは数日に1回は夜勤があるので体内リズムを崩しやすい。さらには、どちらも上から管理される仕事なので、裁量権はなし。CAの仕事も大手なら好待遇だしフライトとフライトの間には休みも取れますが、LCCのCAは経費削減のため、給料は安いし連日フライトが入ったりとかなりのハードワーク。命を削っていますよね」

いかに社会的ステータスや給料が高くとも、身体を壊してしまえば意味がない。上記以外の職業に就いている人は、健康という側面では「勝ち組」なのかもしれない。週刊SPA!7/16発売号では、さまざまなジャンルにおける「早死にする人ランキング」を公開しているので、チェックしてみてはいかがだろうか。日刊スパ

【早死にする職業ベスト10】

  • 1位 大手広告代理店の営業
  • 2位 IT企業の下請けSE
  • 3位 チェーン飲食店店長
  • 4位 若手官僚
  • 5位 病棟勤務の看護師
  • 6位 タクシー運転手
  • 7位 LCCの客室乗務員
  • 8位 自衛官
  • 9位 公立学校の教員
  • 10位 トラック運転手

日刊スパで早死する職業ランキングというものが公開されています。

ここで注目すべきは、早死する職業のその要因として2つを上げていることです。

1つは仕事を自分でコントロールできるか、上司や客などに命令されただやらされるだけの仕事であるか。

2つ目は規則正しい生活が取れるか、深夜までの残業などの長時間労働や暴飲暴食で身体を酷使する仕事ではないか。

上記2つがその要因としてあげられています。

ここで注目するのが、仕事に裁量権がなくただ命令されたことだけをやるというのは格差社会での奴隷労働だけかと思われがちですが、若手官僚という、世間一般から見ればいわゆる勝ち組といわれる人たちも同じようにストレスフルな業務をしていることが驚きでした。

人間らしいまっとうな生活を望むのなら、そして、働きがいのある仕事に取り組めるのなら上記2つは関係ないといってもいいでしょうが、誰もが理想とする仕事は現代では夢物語なのでしょうか。

解雇問題

社会問題に発展した「ブラック企業」日本型雇用の崩壊が始まる?

リストライメージ

長時間労働やパワハラ、人材使い捨てなど、劣悪な労働環境の会社を指す「ブラック企業」。最近は特定企業・経営者への批判でよく使われ、社会問題用語として一般化しているが、元々はネット発のスラング(隠語)とみられる。この言葉がネットから現実にあふれ出した背景には、近年大きく変化した日本型雇用の問題も透けてみえる。

「どうか皆様の黒き一票を!」

これは公示された参院選の投票呼びかけではなく、6月27日にネットでノミネート企業が公表された「ブラック企業大賞」に触れたツイートだ。

労働問題に詳しい弁護士やジャーナリスト、労働組合関係者らが選んだ8社を対象にウェブ投票を行い、8月11日に大賞が発表される。

候補には従業員の過労自殺問題などが取り沙汰された外食大手などが並ぶ。「ブラック&グレー企業根絶のために、こういうイベントは歓迎です」(ツイッター)という声がある一方で、この大賞に限らず「ブラック」のレッテルを貼られることに経営者側が反論するなど、ブラック企業批判の反響は広がっている。SankeiBiz

日本型雇用とは3つの特徴を指します。1つ目は新卒一括採用2つ目は終身雇用そして3つ目に企業内労働組合です。

「日本型」という言葉の何が日本型というのか、おそらく他の国にはあまり見られない労働環境に関してさしているのでしょう。そしておそらくアメリカ型の資本主義、自由市場主義に比べてもっと左によった考え方である労働の価値観を「日本型」という言葉の中に含ませているのだろうと思われます。

この裏には、日本人は人を大切にする労働者をものと扱わない、市場原理を至上とは考えない等のニュアンスも含まれているのではないでしょうか。

しかし、実はこの日本型といわれる終身雇用というのは戦後になってから作られた価値観であり、戦前の労働観とは違ったものであったのです。

今でこそ、終身雇用こそが日本人としての労働観の象徴のように言われていますが、それほど古い歴史を持つものではなく、日本人の特性にあった労働観であるというわけでもないといえるかもしれません。

現在はその労働観の変動の過渡期にあり、古い労働観がそれによって守られている既得権益層と、その煽りを受ける弱い立場の労働者がせめぎあいをしている状況とも取れます。

そして、その過渡期の変動に伴いブラック企業がここぞとばかりに自社の利益を追求することだけを見据えた行動をとり始めている状況ともいえます。

わたしたちは人材の使い捨て、人材を育てず雇用を守らずに、長時間労働をして労働者をうつ病にしたり過労死させたりという理屈がまかり通る状況を許してはなりません。

ブラック企業が会社の利益だけを追求するあまり労働者の生活を蔑ろにする様な状況があれば、わたしたちは断固声を上げていく必要があるのです。

いじめ問題

自分の性格を変えて職場いじめを撃退した話、職場いじめでお困りの方に

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関連する記事:職場いじめをなくすために、経営者に問われる倫理観
関連する記事:職場いじめが許されない就業環境づくり[/alert-note]

職場いじめを放置するのは会社の責任だけど

職場いじめが存在する会社、あるいは、存在していることを知っていながら放置している会社については“職場いじめが許される職場環境を作ってはいけない”で、会社は労働者が働きやすい環境を整備していく義務があるということについて説明しました。

しかし、現実問題として、経営者が労働者の働きやすい環境のために様々な配慮をする職場というのは多くはないと思います。

労働者側からその点の配慮を求めてみても、使用者は会社の経営を中心に考え、労働者の職場環境、ましてやいじめなど人間関係の問題は一番最後になるというのが現状ではないでしょうか。

職場いじめを撃退したAさんの話

上司が職場いじめに対処してくれない、そのことで裁判やあっせんなどできるような状況ではない、そのような状況に立たされて、苦しんでいる、疲れている人はほんとうに多いと思います。

打開策はないのでしょうか?

そこで、今回は法律問題や、会社の規則などではなく、処世術的に職場いじめを撃退したAさんの話を紹介したいと思います。職場いじめで苦しんでいる方が参考の一つにされてみてはと思います。

Aさんは大学卒業後に入社した会社からキャリアアップを試みるも転職に失敗、その後起業を目指す準備期間に派遣社員に登録しました。

派遣先の職場はほとんどが女性の派遣社員で構成されていました。独身男性で30代半ばでの派遣登録に周囲の目は冷ややかなものだったそうです。

Aさんは派遣先で仕事をしているうちに職場のある環境に気づきました。そこの職場には女性の派閥があってAグループとBグループが激しく対立している状況だったそうです。

Aさんはさすがに30代半ばで女性たちの派閥争いに参加などする気もさらさらなく、中立派を装いながらまじめに仕事にだけ撃ちこむことを心がけたそうです。自分がどちらの派閥の構成員に対しても誠実かつ公平に対応していたら醜く意味のない派閥争いなどに巻き込まれることもない、いい年してるのだから仕事だけ淡々とこなしたいという発想からの行動だったそうです。

ところが、Aさんの願いも虚しく、1人孤立をしながらもまじめに働くAさんへの陰口が聞かれるようになり、次第にいじめの対象となる嫌がらせが繰り返されるようになりました。

具体的には、仕事を教えてもらえない、聞こえるように陰口を言って無視する、些細なミスを誘発するようにしむけ責任を押し付けるなどです。

Aさんは普段は精神的にも健全で、ちょっとやそっとではへこたれるような性格の持ち主ではありません。しかしそのAさんでさえ、そのような職場で3ヶ月もすると不眠になり精神的にもかなり病んできてることが自覚できるようになったそうです。

たまりかねたAさんは上司に相談したり、なんとか理解してもらうようにコミュニケーションを図るようにしたりさまざまな打開策を考えましたが、どれもうまくは行きませんでした。

そこでAさんがとった方法とは

そこで、本気で悩んだAさんが最後にとった打開策とは、

いじめられたらやり返す。

でした。陰口を言われたら大声で陰口を言い返す。ミスを指摘されたら相手のミスも大きく叱責して問題を大きくする。とにかくやられたらやり返すということを繰り返したそうです。どうせ派遣社員で長くいつづけるわけでもない上司も何も対処してくれないそういう境遇だからこそできたことかもしれません。

しかし、次第に大声で陰口を言い返しているうちに、悪口を言われた女性と対立している派閥のリーダー格の女性に認められ、派閥の飲み会に誘われることになったそうです。

そこでも、Aさんは対立する派閥グループの悪口を言いまくったそうです。

ここで注意して欲しいのは、Aさんは誠実な人間です。それまで本人のいない所で陰口を言うなど言うことは自分の中のルールとして絶対に許せないと考えているタイプの高潔な男です。しかし、Aさん曰く「今までの人生であれほどはっちゃけて人の悪口を言ったことがない」というくらい悪口を言い続け、派閥グループに入れてもらったそうです。

つまり、職場いじめ撃退2つ目の方法は
我慢して1人で戦うのではなく、派閥グループに入って仲間を作る。
ことです。

それ以降、目に見えるようなAさんに対するいじめはなくなり、派閥同士の厄介で陰湿な喧嘩には巻き込まれることが多くはなりましたが、個人としてのいじめはなくなり、派閥仲間からは仕事を教えてもらえ、仕事がしやすくなったと言っていました。

いじめられている人も起死回生でやり返すというのも一つの考えではないですか

Aさんがとった行動が絶対的に正しいいじめ対処法だとは思いません。しかし、自分の身を守るためにも、いままでに自分の中で守ってきたルール、他人の悪口を言わないだとかいじめられても卑怯なやり返しをしないだとか、そういうルールを一度取っ払ってしまっていじめる相手に立ち向かうというのも一つの効果的な方法ではないではないかと思います。

いじめるという行為は許されてはいけない、しかし何の罪もないいじめられている人が精神的に追い詰められたり、不眠で悩んだりするくらいなら、やり返すという選択肢も時には必要だと思います。

今回はいじめに悩んでいる人に、打開策の一つとして自分の殻を破って思い切ってぶち当たってみる勇気について語ってみました。

読者の皆さんはどう思われるでしょう、コメントいただけたら幸いです。

うつ病

ストレスやうつ病が原因の自殺や自殺未遂の労災認定過去最多(NHKニュース)

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仕事上のストレスが原因で鬱病

仕事上の強いストレスが原因で、うつ病などの精神的な病気に追い込まれ、自殺や自殺未遂をしたとして、昨年度、労災と認められた人は93人で、過去最多に上ったことが厚生労働省のまとめで分かりました。
厚生労働省によりますと、職場での嫌がらせや長時間の残業といった仕事上の強いストレスが原因で、うつ病などの精神的な病気に追い込まれたとして、昨年度、労災と認められた人は475人でした。
これは前の年より150人増えて過去最多に上っています。このうち自殺や自殺未遂をした人は93人で、前の年より27人増えて過去最多でした。
労災と認められた人の年代別では、最も多いのが30代で149人、次いで40代が146人、20代が103人となっています。
精神的な病気を発症した原因で最も多かったのは、仕事量の増加や仕事内容の変化と、嫌がらせやいじめで、いずれも12%でした。
一方、過労から脳出血や心筋梗塞などを起こし昨年度、労災と認められた人は、前の年より28人増えて338人で、このうち過労死した人は123人でした。
過労自殺の労災認定が最も多くなったことについて、労働問題に詳しい川人博弁護士は「厳しい雇用情勢が続き、若い人たちがせっかく得た仕事を失いたくなくて、無理をして働いていることや、企業が十分な研修をしないまま、即戦力として活用しようとするため、精神的に持たないケースが背景にあると思う。国が法律を無視して労働者の健康を害する働かせ方をする企業をきちっと規制し、健康的な職場づくりを進めていく必要がある」と話しています。NHKニュースWEB

仕事上のストレスが原因で自殺や自殺未遂をする人が増えているというニュースだ。

過労死ラインに関しては以前こちらのブログでも取り上げたので参考にされたい。“過労死:死ぬほど働き続けるということについて

基本的に残業が45時間以上6ヶ月間続き、あるいは、それを上回り続けたら業務上起因する災害と見られる可能性が濃厚になる。

今回労災と認定された人は20代から40代と新入社員と中間管理職に該当する年齢であり、過重労働が若い世代に押し付けられていることがよく理解できる。

わたしたちにとって働きやすい職場とは何か

わたしたちにとって本当に住みやすい社会やはたらきがいのある仕事とはなんだろうか?

長時間労働で職場に居続けたり将来の雇用に不安に怯えたり職場の嫌がらせに耐えながら仕事をしたりということまでして精神的に追い込まれ、自殺することがどのようなことなのか、もう一度わたしたち一人ひとりが考え直す問題である。

株価が上昇することだけがわたしたちにとって本当の幸せな社会生活などでは決して無いのだ。

そして、国も一度本気になって過重労働とそれらに伴う労働者における極度のストレスを改善する対策を考えなければこの問題は解決していかないだろう。

ひどすぎる

韓国の過労死の実態、違法残業契約、睡眠2~3時間、1日500万ウォン自爆営業

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日本で社会問題となって久しい過労死・過労自殺が近年、韓国でも続発している。長時間残業しなければ生活費を稼げず、ノルマは達成できない過酷なものばかり-。そんな労働が横行しているというのだ。23歳の韓国人女子留学生がシンポジウムで明かした韓国の実情は、「karoshi」を国際語にした日本の状況と酷似していた。(中略)韓国人留学生は姜さんが大阪市中央区の大阪府立労働センター(エル・おおさか)で6月12日に行われたシンポジウム「過労死社会は変革できるか-過労死110番の四半世紀から考える」(大阪過労死問題連絡会主催)で、約40人を前に講演した。(中略)韓国で社会問題にならないのはなぜか。 まず、姜さんが挙げたのは、労働者や労働組合が労働時間短縮を優先してこなかった点だ。 2件目の事例にあったように、韓国企業は基本給が低く抑えられる傾向にある上、経済成長に伴う物価上昇に比べ、賃金が上がってこなかった。老後への不安の裏返しで「現役時代に稼がねばならない」と考える労働者も多いという。(以下略)産経ニュース

韓国での過労死や過労自殺に関する興味深いレポートだ、韓国人留学生の姜さんが韓国での労働者の過労死や過労自殺について語られている。大変興味深いので詳細はリンク先を参考にしていただきたい。

韓国の労働者の労働環境を見ているとその過酷さは昭和の日本などと書かれているものの、今でも日本のブラック企業などで平然と行われている労働環境とほぼ同じではないか、 「韓国企業は基本給が低く抑えられる傾向にある上、経済成長に伴う物価上昇に比べ、賃金が上がってこなかった。老後への不安の裏返しで「現役時代に稼がねばならない」と考える労働者も多いという。 さらに、姜さんは長時間労働で成果を出すことを「美徳」とする雰囲気が、社会全体に定着していることも指摘した。」

日本もこれから物価の上昇が予想されるのだが、それに伴い賃金が上昇するとは考えられにくい、労働者が老後の不安を少しでも解消しようと、過酷な労働環境に甘んじるような状況になってはならない。

会議

解雇の金銭解決とは?規制改革会議の再開から考える

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日本や世界経済の将来を話し合う国際会議「ラウンドテーブル・ジャパン」が15日まで東京都内で開かれた。規制改革会議の大田弘子議長代理(政策研究大学院大学教授)は「解雇の金銭解決の議論をすぐに始めるべきだ」と述べ、秋にも再開する会議の論点として取り上げる意向を示した。(中略)解雇の金銭解決は元の雇い主を不当解雇で訴えた人が勝った場合、補償金で雇用契約の解消を認める新制度。世論の批判で政府が議論を取りやめた経緯がある。日本経済新聞

解雇の金銭解決「秋にも議論」

解雇の金銭解決が焦点となる会議が再開されるとのニュースがはいってきた。今回は解雇の金銭解決について論じてみたい。

記事の中で注目すべきポイントは「解雇の金銭解決は元の雇い主を不当解雇で訴えた人が勝った場合、補償金で雇用契約の解消を認める新制度」とのことだ。

分かりやすく説明すると、「お前は能力が低く会社の役に立たないからクビだ」と言われ解雇され、裁判で解雇が無効と判断された場合、今までなら「裁判期間中の労働者に支払うべき賃金」と「裁判以降に労働者を再び職場に復帰させる」必要があった。

しかし、会社としては「会社の役に立たない」と判断している労働者を再度職場に復帰させてもメリットはない、だからと言って再度解雇することもできないとなると大きな負担となる。そこで、解雇は不当であるが金銭で解決することができるようにしようとする動きだ。

 今回の1番のポイントは「整理解雇との関係」

今回の解雇の金銭解決でまっさきに影響を受けるのは大企業であろう。

以前にも説明したとおり、解雇には客観的合理性と社会的相当性が必要となる。大企業は今まで会社に貢献しない社員であっても解雇無効と判断されることを恐れ簡単に解雇できなかった。

そのため本人が懲戒処分を受けるか事業が赤字となり整理解雇するかしか客観的合理的な解雇はできなかった。

整理解雇にいたっても容易ではない、なぜなら、従業員を削減する時に誰をリストラするのか会社が自由に判断することができないからだ。そのため希望退職を募ることになり、本来なら会社が辞めてほしくない優秀な社員までも辞めていってしまうという結果になった。会社に残るのは会社にとって必要のない出来の悪い社員ばかりとなるこも考えられ会社にとってはよろしくない。

ここで今回の解雇の金銭解決が決定されたのなら、能力の低い社員を狙い撃ちにできるというメリットがでてくる。整理解雇で希望退職を募って高遇で退職させていたよりも安い解決金で能力不足解雇が可能となるのなら、おそらく大企業はここぞとばかりに能力の低い社員を解雇するようになるだろう。

解決金という解雇の一つの目安を企業にとって有利に作り上げるために、今頃大企業は必死にそろばんを叩いているかもしれない。

中小企業ではどのような影響が出るのかはまた次回に書きたい。

労働相談統計

大学非常勤講師雇い止めの動き、最長5年の労働契約法の問題

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有力大学の間で、1年契約などを更新しながら働いてきた非常勤講師を、原則5年で雇い止めにする動きがあることがわかった。4月に労働契約法(労契法)が改正され、5年を超えて雇うと無期契約にする必要が出てきたからだ。法改正は、有期契約から無期契約への切り替えを進め、雇用を安定させるためだ。だが講師たちは生活の危機にある。朝日新聞の取材で、国立の大阪大や神戸大、私立の早稲田大が規則を改めるなどして非常勤講師が働ける期間を最長で5年にしている。
大阪大と神戸大は、その理由を「法改正への対応」と明言。無期への転換を避ける狙いだ。有期の雇用契約の更新を繰り返し、通算5年を超えた場合、働き手が希望すれば無期契約に切り替えなければならなくなったからだ。
早大は、3千人以上の非常勤講師を徐々に減らす方針で、「長期雇用の期待をもたせられない」(清水敏副総長)。もともと非常勤講師以外の有期職員は上限が5年。これに合わせることも考えていたという。早大は、3千人以上の非常勤講師を徐々に減らす方針で、「長期雇用の期待をもたせられない」(清水敏副総長)。もともと非常勤講師以外の有期職員は上限が5年。これに合わせることも考えていたという。

一方、国立の徳島大などは、労働組合や指導現場と協議して上限を設けなかった。「地方大学は、5年で一律に辞めさせたら講師が確保できない」(徳島大)という事情もある。首都圏大学非常勤講師組合(松村比奈子委員長)によると、多くの大学が当初、契約期間の上限設定を検討したが、講師らとの協議で、撤回する例が相次いだ。
松村委員長は「解雇しにくいという理由で大学は無期転換をいやがる。だが、非常勤講師は特定の授業をするために雇われ、その授業がなくなれば解雇される。無期転換を拒む理由はない」と主張する。一方、大学側は「担当の授業がなくなっても雇用継続を主張する人も出てくる」(大阪大)と警戒する。 こうした問題を受け、政府は成長戦略で、研究者などへの労契法適用に関する課題を検討することを決めた。労契法に特例を設けるのか、別の制度で対応するのか、文部科学省と厚生労働省で検討していく。朝日新聞デジタル

以前伝えた首都圏大学の非常勤講師組合の続報だ。

筆者は大学外部の者だから研究に関して、あるいは、大学の経営に関しては何かを語るべき情報はない。

研究に競争原理を導入すべきかどうかは議論の余地があるかもしれない、しかし外部から見て思うのはなぜに非常勤講師だけが労働契約法の改正の煽りを受けなければならないのかが疑問である。

若く優秀な研究者が5年で確実に目を出すことなど出来るのだろうか?

20年前からある大学の終身雇用の問題

元衆議院議員で元明治大学教授の栗本慎一郎氏が西部邁氏との対談で当時の大学ありかたを批判していたのは91年だっただろうか。

たしか、氏の主張は「論文一本もなく終身雇用で大学教授職が守られているのはおかしい、日本の大学もアメリカの大学のように研究至上主義としなければならない」と教授間の競争原理の導入を主張していたはずだ。

その頃から20年が経ち大学はどれほど変わったのだろうかはわからない。

しかしここに来て非常勤講師にだけは厳しい競争原理が導入されることは明確にわかった。

日本社会のいたるところにある、問題を先送りし、既得権を擁護し、切羽詰まったら弱い立場に押し付ける。

このような光景が日本の伝統となってはならない。

パートアルバイト格差

職場いじめをなくすために、会社や上司の責任としての改善意思と倫理観。

職場いじめをなくすために

過去の記事で“職場いじめが許される就業環境を作ってはいけない|労働相談ブラック企業対策室”で経営者には職場環境配慮義務があり、職場いじめは経営者の責任であることを書きました。

しかし、職場環境配慮義務などといっても悪質なものでない限り、民事での紛争になった場合経営者側には経営者側の主張が存在することは容易に想像がつきます。

今回は一度経営者の立場にたって職場いじめについて考えてみましょう。

経営者の立場にたった職場いじめとは

経営者から労働問題に関して相談を受ける場合があります。その中の一つに「変な従業員がいる」という相談がよくあります。

ここですぐにピンときます、おそらく裏には職場いじめが有るのだろうなと両者の立場を想像しながら質問を聞くことになります。

経営者の立場から考えたら、能力が不足して言われたことをやらない他の人と協力して仕事ができない問題社員と思っているのに、その従業員は「みんながいじめる私を辞めさせたいから仕事を教えてくれない」などと主張する。

このような場合、大企業だったら配置転換などで人間関係の問題などをなんとかクリアして行くことを考えていくのだけど、中小零細では配置転換する場所もない、狭い人間関係の中で一度でも関係が悪化するとなかなか修復が難しいということがよくあります。

こうなってしまうと経営者はこの「変な従業員」には辞めて貰いたいと考えている事が多々あります。狭い職場でチームの和を乱すような従業員は教育するよりも取り替えるほうが手っ取り早いからです。

しかし、本当に取り替えることが手っ取り早いのでしょうか?

2:6:2の法則

それは違うと思います。実は組織というのは「2:6:2の法則」で成り立っています。優秀な上位2割と平凡な6割と出来の悪い下位2割という構成です。

職場いじめが存在する職場というのはその下位2割の出来の悪い従業員をスケープゴート(いけにえ)として成立する組織です。

ですから、たとえその「変な従業員」を辞めさせることができたとしてもおそらく同じように下位2割の中から次なる生け贄がいじめの対象として浮上することになるでしょう。

従業員定着率の悪い職場というのはいたってこのような悪循環に見舞われています。

そして、この悪循環を断ち切れるのは経営者が職場の環境を変えるのだという経営者自身の意識にかかっている問題だと思います。

「変な従業員」はいない、意識の低い経営者がいるだけ

変な従業員がいる職場が有るとするのなら、それは「変な従業員」をフォローできない組織と職場環境をマネジメントできない経営者がいることが問題であり、経営者自身の経営方針や理念問題だという観点から考えることが大切なのではないかと思います。

そのためには普段からわたしたちの社会が、弱い立場の人をもフォローする精神で助け合う気持ちを尊重することが大切になるのではないでしょうか。

会議

「日本は過労死対策を」国連委員会が政府に初勧告

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人権を保障する多国間条約の履行状況を審査する国連の社会権規約委員会が日本政府に対し、長時間労働や過労死の実態に懸念を示したうえで、防止対策の強化を求める勧告をしていたことが23日、分かった。

外務省によると、国連の関連委員会が過労死問題に踏み込んだ勧告を日本に出すのは初めて。法的拘束力はないが、対策の実施状況について定期的な報告を求められる。

勧告は17日付。「多くの労働者が非常に長時間の労働に従事し、過労死が発生し続けている」と指摘し、「長時間労働を防ぐ措置を強化し、労働時間の制限に従わない事業者らに対し予防効果のある制裁を適用する」よう強く求めている。

勧告について厚生労働省は「尊重する義務がある。内容をよく確認したい」(国際課)としている。日本経済新聞2013/5/24 1:30

なぜこのような当たり前のことが国連を通して勧告を受けた上で実行されなければならないのだろうか、国連の勧告という大義名分を受けなければ国内的にも改革がスムーズに執り行われにくいというお家事情があるのだろうかと思ってしまう。

クールジャパンという日本文化を海外に推し進めるだけではなくて、karousiという負の面が海外で使われないように、働きやすい労働環境を作っていくことも大切なことではないだろうか。

とにかく、これで過労死や長時間労働というものに対して何らかの対策がとられることになるのだ。

以前のエントリーでも説明したように、労働基準法は一日8時間1週間で40時間を法定労働時間として定めている。

これ以上に労働者を働かせるには労働者と会社が協定を結ぶ必要があるのだ。

大企業で働く労働者であるのなら、長時間労働に対しての福利厚生や安全衛生面でのなんらかのフォローがあるかもしれない。

しかし、中小零細企業で働く多くの労働者はそのようなケアもない過酷な労働条件ではたらいているのが実態ではないだろうか。終身雇用が崩壊している現状で、自分の体を壊してまで働き続ける必要はない。

中小零細企業で働く労働者は、労働者同士でしっかりと話し合い、団結して労働者代表を選出して1年に一度ある労使協定締結の時に法定労働時間以上の労働は考えていないことを主張してもいいのではないか。

また、45時間以上の時間外労働が3ヶ月続くような職場で働いていたのなら退職しても、特定受給資格者として、給付制限のない失業保険を受けることも可能となる。無理して働き続けることだけを考えるのではなく、自分の環境にあった職場選びを考えてみてもいいではないだろうか。

ブラック企業残業

日本よ、これがブラック企業の使い捨て解雇だ

ブラック企業残業

hamachanブログをごぞんじでしょうか?労働法学者の濱口桂一郎氏のブログです。そこで“中小企業ではスパスパ解雇してますよ”と題して労働局でのあっせんの解決が取り上げられています。

労働局のあっせん?

って思った人もいるかもしれない。

別に通販のカタログとかではないです。それはニッセンです。

あっせんとは、各都道府県の労働局というお役所に労働トラブルになった時に、円満解決するために専門家にお願いする制度をいいます。

裁判とは違うもので、多くの人はあまり聞いたことがないかもしれません。

裁判よりも手続が簡単でしかも無料、1ヶ月ほどで解決します。

「え!そんな制度があったの!知らなかった!もっとはやく教えてくれたら良かったのに」

と喜ぶのはまだ早いです。

そのあっせんで解決した事例が上で紹介したブログに載っています。

ショックを受けるかもしれないので閲覧注意でお願いします。

では、ここでその一部を抜粋しましょう。

非正規社員の女性

有給休暇を使用したとして普通解雇、使用者側は当日に申請しているので有給と認められず欠勤であると主張した。

結果

12万円で解決

 

正社員の男性

請負への移行か退職か

結果

解決金ゼロで解決

いや、解決金ゼロで解決って解決じゃないじゃん、って思った人もいるかもしれない。

一度さきほどのブログ見てもらうといいが、いかにブラック企業が簡単に解雇をしているかがよく分かります。

歩み寄りすることもなく「解決」していくのかがよく分かる事例がたくさん並べられています。

あなたも、今自分が職場でなんか怪しい雰囲気のものがあったとして、それの解決が労働局のあっせんではどれくらいのレベルで解決されるのだろうか参考にして見てみたらいかがでしょう。

きっと、背筋が寒くなるのではないでしょうか?

「いや、しょせん、これは労働局のあっせんであって、裁判とは別物でしょ?」

とお考えですかな?

たしかに、裁判とは別物でしょう。そして、なぜここであげられている人たちは最初から裁判を選ばなかったのでしょう?

ブラック

【労働コラム】労働基準法と会社のルールはどちらが優先されるのか?

ブラック企業

よくインターネットの手続きなどで「利用規約に同意する」と言うボタンをよく読まずにクリックしてしまう方がみえます。

かくいう筆者も人のことは言えず、利用規約は重要そうな部分だけを飛ばし読みしてクリックしてしまうことが多いのですが、実際に忙しい毎日を送っている人はえてしてすべての注意書きに目を通すことが実質不可能かもしれません。

何事もなければ、これらの規約は有るのも無いのも同じ事なのですが、いざトラブルとなった時が問題となります。

労働問題も同じ事が言えます。労働者が労働基準法をしっかりとよく読む機会はあまりないのではないでしょうか。会社の就業規則ですら、あまり読まずに、なにか問題や疑問があった時だけ確認するという人も多いと思われます。

しかし、これら労働基準法の無知が労働トラブルや労働者の一方的な不利益につながることに注意してください。

ブラック企業の本質を労働者なら知っておきたい。

労働者が自らの労働環境や労働条件が不利益な状態になっていることに気づかずに、どこの会社でも同じだと思っているために思わぬ落とし穴にはなってしまうということもありえます。

例えば労働に関する法律についてです。

起業を考えている人、あるいは経営者や2代目社長などは基本的に勉強熱心です。自らの会社の業績を伸ばすために経営のために様々な勉強をしてます。しかし、一番おろそかになりがちなのが労働法の分野なのです。

そのため、労働者はうちの社長なら労働基準法を知っているだろうと思って社長の命令が正しいと信じこんでしまう人も多く見えるかもしれません。

また、経営者には会社を経営していく上において、人事において裁量権があります。それらの権利と労働基準法と同じように考えてしまっている人も見えると思われます。

権利を主張するべきは労働者です。労働に関する法律の知識をしっかりと持たなければ、トラブルに巻き込まれることもありえます。

労働基準法と会社のルールの違いを明確に知っておく必要が有る。

たとえば、労働基準法と会社のルールの違いに関してわかりやすい例をで説明してみます。

A「うちの会社はひどいよ賞与が払われないんだよ」

B「うちは会社のルールで有給はないらしい」

C「うちは残業代は払われないよ」

これらのうちで明確な労働基準法違反はどれでしょうか?

答えはBです。会社のルールで有給休暇がなくなるということはありえません。労働基準法の基準にあたいすれば、有給休暇は必ずもらえます。

それに対して、Aは明確とは言い切れません。賞与は就業規則に明記されていない限り賃金としてみなされないこともありえます。

またCに関してはどうでしょうか?

実はCも明確な労働基準法違反とはいえない場合があります。

たとえば、就業規則の賃金規定に営業手当などとの名目でいわゆる固定残業代として支払われていて、就業規則が有効に成立していた場合には残業時間に対応する範囲に関しては残業代を払わなくても良いことになります。

これが残業代を払っているのか、残業がサービス残業として違法なのかについてはっきり判断するポイントとなります。

このように、コンプライアンスに則った会社運営をしている場合にはルール違反とならないのですが、労働基準法が求める手続きをしていない内容がある場合にはCは明らかな労基法違反になります。

労働者がこの辺りについての知識をしっかりともっていれば、実際に自分がはたらいている会社が労働条件に関して、労働基準法違反なのか、それとも従うべき会社のルールなのかがはっきりと分かることになります。

トラブルになってから問題にするよりも、普段からしっかりと労働に関する問題を知って労働に関する法律について不勉強になりがちな経営者に労働基準法ではどうなっているのかを伝えて、働きやすい職場づくりを目指すことも大切なことだと思います。

会議

期間の定めるある契約社員にさせられた労働契約トラブルを考える

労働相談

求人募集と雇用契約が違う?

求人募集で正社員を募集していたから面接に行った、2回ほどの面接後、採用された。

面接時の話の内容では、正社員契約のはずだったから正社員としての契約だとばかり思っていた。

渡された雇用契約書には期間の定めがある雇用契約だが、面接時の話では正社員のはずだった。だから期間の定めがあっても気にしなかった。

しかし、期間が満了するとき社長に呼び出され契約期間が満了したので雇い止めにしたいと言われた。

このような労働トラブルが時々見受けられます。

期間の定めがある労働契約とはどのようなものか

中小零細企業で労働トラブルが発生するケースは、労働者も経営者も労働法に関してほとんど無知であることから発生するケースが多いです。

社長がたまたま、インターネットからダウンロードした労働条件通知書に労働者との契約期間が書くスペースが有ったために労働契約期間を書き込んだが、後々それが幸いして面接時は正社員契約のつもりであったが非正規労働者扱いとして雇い止めであったと主張されるようなケースも発生します。

このようなトラブルがおこるには労働者側にも労働契約に対して確認をせずに労働法に関して無知であったという落ち度があります。

中小零細企業の社長は面接時に自分の会社をよく見せるために、あるいは労働者に期待するあまり口約束で大きいことを言ってしまうケースがあります。

しかし、それら口約束はいざトラブル発生となったときは「言った言わない」の争いとなり、紛争となったときはお互いが保身のために、最終的には証拠があるものが強いことになってしまいます。

面接時にしっかりと確認したい労働契約

採用面接は労働者側が一方的に評価される立場ではありません。特に労働契約となればそれは対等の立場のもとで約束をしたということになります。

そして、会社には採用面接時に会社と労働者が約束をしたことに関して労働者に明らかにする必要があります。

それが書面によって労働条件を通知する労働条件通知書と言う形で渡されるのが一般的です。

労働者はその内容が面接時に話していた内容と同じであるかどうか、法律に定められている明らかにするべき項目が全て書かれているかどうかを必ずチェックする必要があります。

労働トラブルが発生する原因はおもに労働法に対する無知があります。

労働者はいざというときのためにも自分の身を守るために労働法をしっかりと知っておく必要があります。

リストライメージ

パナソニックが600人人員削減検討本年度中に希望退職を実施する方向

ブラック企業に吠えろ

パナソニックがノートパソコン向けなどの民生用リチウムイオン電池事業で、600人程度の削減を国内で検討していることが23日、分かった。同事業の国内従業員の2割程度に当たるとみられる。人件費を減らし、サムスン電子など韓国勢との価格競争の激化で悪化した採算を改善する。中国を中心とした生産体制を整える一方、国内は成長が期待できる車載用リチウムイオン電池に重点を移し、収益力の向上を急ぐ。 本年度中に希望退職を実施する方向。民生用リチウムイオン電池を生産する大阪・住之江工場、徳島県松茂・徳島工場などの従業員が対象になる見通し。近く労働組合に協議を申し入れる。毎日JP

panasonicが600人規模のリストラ人員削減するとのニュースだ。

記事によると同事業の国内従業員の2割程度に当たるとのこと。今後の動きを注視したい。

会議

大阪大を関西圏大学非常勤講師組合が労基法違反で告訴(朝日新聞4月16日朝刊)

ブラック企業に吠えろ

以前、首都圏大学非常勤講師組合が早稲田大学を労基法違反で告訴するというニュースを伝えたが、今度は関西圏大学非常勤講師組合が大阪大学を労基法違反で告訴とのニュースだ。

ツイッターに写真では朝日新聞の16日付朝刊となっている、これしか情報ソースはないのだが、http://twitpic.com/cjqicq

一見すると上限5年が労基法違反かと間違えるかの見出しだ。しかし、よくよく読んでみると、大阪大学は3月に非常勤講師らの契約規定を新たに定めた際、「大学が非常勤講師と結んでいるのは準委任契約で労働契約ではないから、非常勤講師は労働者に当たらない」として、当事者の意見を聞かなかったという。とのことだ。

今回も、早稲田大学の労基法違反での告訴と同様に意見を聞かなかったことが問題視されているのだが、今回のケースは大学非常勤講師が準委任契約であるとの主張となり少し論点がずれていることがポイントとなる。

どちらにしろ就業規則の改定は労働者から意見を聞けば良いだけであることは以前のエントリーでも言及した。

就業規則の作成変更を労働者代表の意見を聞かずに労基署で受理されるか”この告訴が後々非常勤講師組合に有利な展開となるとは予測しにくい。

非常勤講師組合が次々と告訴をする状況から考える大学の現状予測

前回の首都圏大学非常勤講師組合の告訴の記事でもかいたことであるが、労働契約法の改正の5年上限にともない、就業規則等の変更で労使間がトラブルになることは今後も予測される。

しかし、就業規則の不利益変更になるとはいえ、就業規則は制定する側にイニシアティブがあることは変わらない。

問題は大学内での格差ではないだろうか、高度経済成長時には大学が量産され、団塊の世代の資格も能力も足りない大学教授が悠々とした生活をおくる一方で、将来の予測が立たないという理由で、若い研究者の世代にしわ寄せがいっている現状があるのだろう。それに大学院重点化政策の弊害などもあるのかもしれない。

どちらにしろ、若く優秀な研究者がこのような無意味な労使紛争で時間と労力を費やす状況は無駄である。

大学は外部からの改革を自治の名の下嫌う傾向があるが、日本社会の小学校から始まる教育制度自体に大きなメスを入れ、大学制度そのものの改革が必要とされているのではないだろうか。

ブラック

ユニクロはブラック企業か?ファーストリテイリング・柳井正会長が若手教育について語る

日経ビジネスオンラインでユニクロの柳井正会長がユニクロはブラック企業とみなされがちの風潮に反論を載せている。

“甘やかして、世界で勝てるのかファーストリテイリング・柳井正会長が若手教育について語る”

http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20130411/246495/

ユニクロの柳井会長とはわざわざ言うまでもないことかもしれないが、雑誌フォーブスが認定している日本で一番の金持ちであり、経営者なら誰もが目指すであろう存在である。

生き馬の目を抜く商売の世界で勝ち上がり、グローバル化する世界で戦っている企業家の信念は厳しく洗練され、常に迫力がある。経営者であるなら、学ぶべき点は数多い。

しかし、1つだけ間違っていることがある。それは経営者と労働者は根本的に違うということだ。

ユニクロの離職率が示す労働者にとってのブラック企業

ユニクロは新卒者の3年以内の離職率が5割をこすという。これは一般的な中小企業であるなら、明らかにブラック企業認定されてもおかしくない数字である。

しかし、ユニクロがかろうじてブラック企業と断定されない理由は、福利厚生や労務コンプライアンスを遵守しており、未来へのビジョンが明確であることだ。

新規学卒者でユニクロの入社を希望する人は、おそらくユニクロがもつこれからの未来、将来性、経営者の示す方向性に賛同して入社している人が多いのではないだろうか。

しかし、ユニクロのような巨大企業では、ピラミッドが大きければ、裾野も広い。

実際に労働者として働いてみた時にみえる未来や華やかなグローバル企業として世界で戦う経営者のビジョンも現実的な激務の前で潰されてしまう。

経営者と労働者の根本的違い

柳井氏は自著の中で起業家十戒を示している。その第1に来るのが「ハードワーク。一日24時間仕事に集中する。」である。

このハードワークは経営者として起業を考えている人にとっては当然かもしれない。一日は24時間しか無い、そのために最大限の力を仕事に注ぎ込むこの姿勢は確かなものだ。

しかし労働者の労働とは別物である。労働とは指揮命令を受け、ルールにそって、制限された裁量の中で業務を行う行為である。

労働というものは経営者が考える仕事とは全く別物なのである。そのような環境の中で未来が見えない激務に日々をおくる行為は先が見えない暗闇、まさにブラックである。

労働者には未来や希望が必要である。すくなくともファーストリテイリングの様なグローバルに活躍する起業に就職する者はそれを目指してやってくるのではないだろうか。

しかし、現実の離職率という数字が示すように、はたらく若者に未来を感じさせない労働となっているのが現実ではなかろうか。

原点にあるはずの、服を売る楽しさ、企画する面白さ、お金儲けする喜び、そのようなものを感じて実感すること無く、失望して辞めていく若者が多いというのなら、華やかな未来あるイメージとは違う企業といえるかもしれない。

ブラック企業を定義する一要素に若者が未来を見ることができるか、が入ってもいいのではなかろうか。

労働問題の鍵

就業規則の作成変更を労働者代表の意見を聞かずに労基署で受理されるか

労働相談

就業規則の変更を労働者の意見書がなくとも労働基準監督署で受理される

就業規則を作成する時に、労働者側にとって不利になる就業規則内容である場合で九十条の二項の書面添付が困難な場合、通達では以下のように労働基準監督署は労働者の書面による意見書がなくても受理されることになっている。

就業規則の作成、届出及び受理については、施行規則第49条に示してあるが、労働組合過半数を代表するものの意見書に労働者代表の署名または記名押印がないことを理由として受理しない向きもあるようであるが、労働組合が故意に意見を表明しない場合または意見書に署名または記名押印しない場合でも、意見を聞いたことが客観的に証明できるかぎりこれを受理するよう取り扱われたい。(昭二三・五・一一基発七三五号、昭二三・一〇・三〇基発一五七五号)

労働基準法第九十条第二項では以下のとおり書面の添付を必要とされる。

労働基準法第九十条第二項
使用者は前条の規定により届出をなすについて、前項の意見を記した書面を添付しなければならない。

労働問題

首都圏大学非常勤講師組合、早稲田大学を労働基準法違反で刑事告発へ

早稲田大学(鎌田薫総長)が新たに設けた非常勤講師の就業規則を巡り、制定の手続きに不正行為があった可能性があるとして、首都圏大学非常勤講師組合(松村比奈子委員長)は同大を近く労働基準法違反の疑いで刑事告発する。非正規労働者の契約は5年を超えて働いた場合、期間の定めのない雇用に転換できるなどとした改正労働契約法が1日から施行されたばかり。この法改正で、大学現場では非常勤の契約に新たに上限を設ける動きが出ているという。(略)毎日新聞http://mainichi.jp/

労働契約法が改正されたことに伴い期間の定めのある労働者を雇用する場合には5年を超えて雇用していた場合期間の定めのない安定した雇用になると改正されたことに対応するように、早稲田大学が就業規則を改定手続きに不備があったとして非常勤講師の組合が刑事告発に向けての手続きに入ったとのニュースだ。

このブログの読者の方からすれば全くタイムリーと思われるかもしれない、ちょうど就業規則の改定には従業員の意見を聞くだけでよく、それが反対意見であろうと同意までは求められていないことを知っているだろう。

会社が業務命令の根拠としての就業規則と労働契約|労働相談ニュース

筆者がツイッターでもつぶやいた時には多くのブログ閲覧を頂いたので覚えている方も多いかもしれないが、就業規則は会社側が一方的に作成することができる会社のルールであり、従業員全体に影響を持つ雇用契約と同等の効果を持つルールである。

就業規則の変更に必要とする要件

就業規則が合理的であり、従業員に周知されていたら有効とされ、個々の従業員はそれに不満があって指示に従わなかったら、業務命令違反として懲戒される恐れもあるものである。

この手続に不備があるとした今回の刑事告訴騒ぎは就業規則の改定には「従業員の意見を聞く」だけでいい手続きに不備があるとの非常勤講師組合の主張には無理があるものと思われる。

なぜなら、従業員の意見を聞く手続に関して公示したから意見を聞いたと言う大学側の主張に対して聞いてないと意見を聞くことを拒む行為が就業規則の改定の不備を主張することに対して有効であると判断されるとは到底予測できないからである。

がしかし、組合員側の主張したい理由も理解できる。なぜならもともと、就業規則の手続自体にこのように一方的に変更をして意見を聞いただけで同意も必要とせず労働契約が改定されるという慣行は会社側にあまりに有利なものであるからだ。

この就業規則の手続に対して対抗するくらいなら、今回の労働契約法の改正自体に反対運動をしたほうが社会的に意義があるものであったであろう。

今回のポイントと今後の予測

大学側(会社側)の就業規則の変更は「意見を聞く」だけでいいので組合(労働者側)が意見を聞く行為を何らかのかたちで妨げるのなら、公示したことにより意見を聞いたことにして就業規則の変更の手続を正当なものとしたい。

もともと、変更手続き自体、労働者の同意を得ていたら、変更が困難になるという手続き上の効率化が「意見を聞く」となっていたものであるから、組合側の主張は通らない可能性が強い。

今後の動向に注目して行きたい。

会議

残業を考える。会社が業務命令する根拠としての労働契約と就業規則

前回までのまとめ

  • 労働基準法で会社は一日に8時間以上働かせることができない。
  • 労使が36条に従い書面を提出したら残業も可能。

残業するってことはどういうことなのかわかりやすく考えてみる|労働相談ブラック企業対策室

サービス残業を日本の会社からなくすためにも、そもそも残業って何?基本から勉強するシリーズ。

前回は、36条に従い36協定を労働基準監督署に提出した場合、32条に関する免罰効果があることを説明しました。

今回は会社が従業員に残業を命じる第2の壁である契約の壁について、残業を命じるには何らかの根拠を必要とすることを説明します。

就業規則と労働契約

残業は労働契約と就業規則で定められる。

36協定で時間外労働に関して労使間て取り決めをして労働基準監督署に届け出ても、業務命令として個々の労働者に時間外勤務を命じるには労働契約上の根拠が必要です。

多くの中小零細企業では、最初の面接段階で

「うちでは残業があるけど、できますか?」と質問されて、「はい、大丈夫です。」

といいます。これで個別の同意が成立して、同意について書面で明示して会社は労働者にわたします。

労働基準法第15条(労働条件の明示)
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

しかし、中小零細の企業等は会社の面接時にわざわざ残業があることの質問をしないことなどいくらでもあります。

そして、労働条件通知書をわたすことなどもしない会社もあります。

これでは、会社側にとっては当然残業をしてもらうつもりで雇ったというのに、労働者は残業はするつもり無いよ、求人広告にも乗ってなかったし、とトラブルが発生します。

では、このような場合、会社は残業を命じることはできないのでしょうか?あるいは、残業をする約束をしていないからと言って残業することを拒否することができるのでしょうか?

就業規則が会社のルール、しかし・・・

会社が個別に所定時間外の労働があることを労働者に告げていなくても、36協定を結んでいる事業場で就業規則が周知されていたら、業務命令として残業を命じることができるようになります。

労働契約法7条
労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第十二条に該当する場合を除き、この限りでない。

このように有効に成立している就業規則に則って残業を命じられたのに、拒否した場合は、業務命令違反として会社から罰せられる可能性もあることに注意してください。

しかし、そもそも、労働条件通知書をわたさずにこのように労働トラブルになるような職場で有効な就業規則が定められているかどうかが問題となる、就業規則の存在を知らない従業員だっている可能性もあります。

有効な就業規則とは何かについては次回以降に説明いたします。

非正規雇用

労働市場の流動化は非正規労働者にとってメリットかデメリットか?

解雇規制緩和により解雇ルールが明確化されたら

労働者といっても一概に同じではないとはいまさら言うまでもない。

大企業の労働者が春闘でハチマキをしてベアを要求している横を同じ職場ではたらく派遣労働者が雇い止め期限が近づいて次の職場を探している。

現代はそのような状況になっているのに解雇規制緩和と言われて誰もが同じ条件で影響を受けるということはない。

非正規労働者の割合が現代では約35%となっている現状であると同時に、非正規労働者は全体の労働者の中で多数派にはならない分だけ更に弱い立場といえるかもしれない。

今回はその非正規労働者の視点から解雇規制緩和について考えてみたい。

解雇権濫用法理は本当に労働者を守っているのか。

労働者は法律によって守られているから、使用者は容易に労働者を解雇することはできない。

それは労働者にとっては希望であろう、そのため、解雇をしやすくするための政策である解雇規制緩和などもっての外だとお考えの方も少なくないかもしれない。

しかし、よく考えて欲しい、非正規労働者が解雇されるということはまず無いと考えていいだろう。

非正規労働者は期間が定められている雇用であるので、期間が満了しさえすれば「解雇」ではなくて「雇い止め」すればいいだけだからだ。

そのような労働者に対して企業がわざわざ危険を犯してまで解雇を考えることはまず無い。

また、従業員30人未満程度の中小零細企業ではたらく労働者が、「経営が厳しいから辞めてくれないか?」等と言われて、裁判で最後まで労働者の権利を主張して勝つ労働者の数と、泣き寝入りしている労働者の数は統計には出てこないだろうが、おそらく数十倍くらいあってもおかしくないだろうと思われる。

いったい解雇権濫用法理は誰を守っているのかという疑問が出て来るのは当然である。

解雇規制緩和(解雇がしやすくなる政策)で大企業の労働者は解雇されやすくなる

現在有識者会議などで議論されている解雇規制緩和について基礎からわかりやすくわかるように以前のエントリーで書いた

解雇規制緩和について今さら聞けない基本事項

この解雇規制緩和は解雇規制で労働者の権利を固く守られている大企業の労働者にとってはデメリットであると言える。

今後、整理解雇の4要件も時流に見合わせたものに改正されていくかもしれないし、その他、解雇が金銭解決でもって明確にルール化されることも大企業労働者に影響が出てくるかもしれない。

しかし、もともと解雇が平然と行われ、泣き寝入りしている労働者が多い中小零細企業ではほとんど影響ないと考えても良い。

むしろ、金銭解決という明確化されたルールができることによって、それまで長い裁判で争っていた労働紛争を簡単に解決できて次のステップを踏みやすいという現象も起きてくることが考えられる。

解雇規制緩和は大企業の労働者にとってはデメリットであろう。

しかし、労働者の全体を見てみた時、非正規労働者や零細企業ではたらく正規労働者にとっては恩恵になる可能性があることも考慮する必要がある。

パートアルバイト格差

介護や福祉関連のサービス残業の実態と准正規労働について

わたしの知人が経験した介護施設の就業環境について、驚くべき実態を聞いたことがある。

介護施設長曰く「この職場に残業はありませんので残業代も出していません。」

知人「残業がないというのなら定時に帰れるということなのですね。」

施設長「いいえ、この業界(福祉)に残業という概念がありません。だから残業代を払わないということです。」

冗談のような話だが実話だという。

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介護職を取り巻く不適切な職場環境はどのようにつくられるか

もう数年前のことになるので、医療福祉分野も様々な改革があり改善されていると思われるが、それにしてもここまで開き直られる状態だったとは驚きの話しである。

しかし、話をよく聞いてみると、その職場で一番良くはたらくのがその施設長であったとのことだ。

施設長が掃除から施設の修繕等なにからなにまでやっているそうだ。

施設長自身が雇われ施設長であった場合、おそらく管理監督者扱いをされ残業代が支給されていなかったのではないだろうか。

そして、一番良くはたらく施設長ですら残業代が払われていないのだから、そこではたらく介護職員も残業代をもらえなかった、あるいは残業代を請求しづらかったのではないだろうか。

管理監督者と言えども有名な名ばかり管理職として残業代を請求できることは以前のエントリーでも取り上げた。

管理職のサービス残業の問題名ばかり管理職|労働相談ニュース

福祉介護分野は労働環境をもっと改善する必要がある。

ただこのような状況に対しても、労務管理をしっかりする体制さえあれば改善する余地はあるのである。

たとえば、最近厚生労働省で発表された正規労働者と非正規労働者の中間に位置する准正規労働者という概念だ。

この准正規労働者を必要とするのが介護福祉分野ではないだろうか。

大学卒業して総合職などの職に就いた女性が結婚を機に育児等のために一度仕事をやめて家庭に入るという現象は内閣府が公表する男女共同参加白書の女性労働の推移M字カーブとして表されている。

そして、そのような女性が再度正規職員として採用され再就職するのはなかなか難しく、パート社員などをしているという日本の職場状況がある。

准正規労働者では一家の大黒柱として家計を維持するのは難しいという問題はあるが、 福祉介護分野こそこの准正規労働者という概念を使いせめてサービス残業などという劣悪な職場環境をなくしていくことが必要となっていくのではないだろうか。