36協定の有効期間、残業を管理するチェックポイント

36協定の有効期間、残業を管理するチェックポイント

36協定の有効期間

チェックポイント

  1. 有効期間は1年が望ましい
  2. 期間が定められていないものは受理されない
  3. 最長は3年

(平成11・3・31基発161号)(昭和29・6・29基発355号)

36協定チェックポイントの見方

36協定の有効期間は1年が基本と考えてください、最長3年は労働組合がある場合の労働協約が3年の有効期限であることから解釈されています。

期間が定められていないものは瑕疵のある労使協定と見られ労働基準監督署で受理されません。

労働者の残業(1日8時間を超える時間外労働)について

労働組合があるような大企業でない限り基本的に法定労働時間を超える残業は1年に一回36協定を締結します。

36協定の労使協定で労働者代表の選び方”で説明したように民主的な決定で残業するかどうか決められます。

もし、あまりにひどいサービス残業を強いられるような会社であるのなら36協定の締結を拒否する対策も有効かもしれません。

労働基準法36条に関する通達

上で挙げられた3つのチェックポイントの根拠となる通達を紹介します。

1.有効期間は1年が望ましいは平成11・3・31基発161号で述べられています。

2.と3.は昭和29・6・29基発355号

36協定の労使協定で労働者代表の選び方

36協定の労働者過半数代表を選ぶ時のポイント

36協定を締結する時に必要となる労働者代表はだれでもなれるわけではありません。

ここでは代表者になれる人の条件とその代表者の選出の仕方について解説します。

36協定の概要については以下を
36協定とは?労働基準法から考える時間外勤務や残業について

36協定の有効期間と代表者の任期については以下を

“36協定の有効期間と任期|労働相談ニュース

労働者の過半数代表者の要件

労働者過半数代表に関する通達
次のいずれの要件も満たすものであること

  1. 法第41条第2号に規定する監督または管理の地位にあるものでないこと
  2. 法に基づく労使協定の締結当事者、就業規則の作成・変更の際に使用者から意見を聴取される者等を選出することを明らかにして実施される投票、挙手などの方法に世る手続きにより選出されたものであり、使用者の移行によって選出されたものでないこと(一部略)

平成11・1・29基発45号平成22・5・18基発0518第1号)

簡単に要約すると以下です。

  • 管理監督の地位にあるものでないこと
  • 投票や挙手によって民主的に選ばれた手続で選出されていること

会社が労働者に一日8時間以上の労働を命じるためには36条の労使協定を結んで労働基準監督署へ提出するのが絶対です。

36協定を提出せずに時間外労働を命じる場合には労働基準法に則って罰則が与えられる場合があります。

 IT企業や小さな会社で残業を命じるための36協定

若者が新しく起業したIT企業や小さな会社では使用者が労働基準法についてあまり詳しくないことが多いです。

社長や経営者、取締役といった管理監督者以外の従業員が5人の事業上で3人の人が時間外の労働をしたくないと判断して36協定の締結を断った場合は、使用者は残業を命じることはできまなくなります。

従業員が36協定を知ることができるか

小さな会社でも36協定を締結していて労働基準監督署に提出しているかは従業員が知っていて当然です。

なぜなら、上の通達にもありますように、36協定を締結する場合は、民主的な手続でもって過半数代表者を選出しなければなりません。

ですから、少なくともそこの事業所の過半数の人間は誰が36協定の代表者として時間外労働を労使間で約束して提出したのかを知っていることが前提となっています。

ここのところができていない会社の場合、36協定を労基署へ提出していないか、不当な方法で持って労働者代表を選んでいて協定事態無効である可能性があります。

お金

36協定とは?労働基準法から考える時間外勤務や残業について

前回からの残業に関するシリーズ、今回は36協定について基本的なことを学びます。

36協定は一般的には“さぶろくきょうてい”と読みます。

前回のエントリー

残業(超過勤務)手当の未払い時間外労働について労働基準法はどうなっているか

でも書きましたとおり、会社側の社長や経営者は労働者に対して労働基準法で定められている、一日8時間一週間で40時間以上の労働を労働者にさせることができません。

これが原則です。

しかし、36条に基づく労使協定を締結して労働基準監督署に届け出た場合は、労働基準監督官は労働基準法に基づいた罰則等はできなくなります。

そこで、この会社が労働者に時間外労働を命じるために1つ目の壁となる法律32条の効果をなくすための36協定について見て行きましょう。

時間外労働・残業

 36協定の特徴について

36条に基づく労使協定は、上の図が示している通り、法定労働時間である、一日8時間を超える時間を会社が命ずる事ができるように、労働者との同意を書面に残して、それを行政官庁に提出するものです。

36協定の提出先は?

所轄の労働基準監督署です。

全国の労働基準監督署は厚生労働省のページを参照ください。

36協定の労働者代表の選び方とポイント

36協定を締結するには過半数代表としての労働者代表の選出が必要となります。

36協定の労使協定で労働者代表の選び方

こちらを参照ください。

36協定は有効期間は?

36協定の有効期間について

こちらをご参照ください。

労働問題

残業(超過勤務)手当の未払い時間外労働について労働基準法はどうなっているか

社会人になったら当たり前のようにやる残業
今回は残業についてシリーズで考えてみましょう。
まずは、第1回目:そもそも残業って何?

残業するってことはどういうことなのかわかりやすく考えてみる

普段わたしたちがはたらく職場では当たり前のように残業をしている会社が多いです。

しかし、この残業についてどういう法律を根拠として成り立っているのか、わたしたちはあまり良く知らないのではないでしょうか。

ここで残業についてわかりやすく整理してみましょう。

残業するのは社会人として当たり前ではない。

え!?残業するのが社会人として当たり前じゃない?

そんなこと聞いたこと無いよ、と言われそうですが、誤解がないように最後までお読みくださいね。

大企業や、労働基準法をしっかり守っている会社に就職したら残業はしなければならないルールとなっています。そしてそのルールに則って残業をしています。

しかし、ここでは、一度基本に立ち返って法律を順番に見ると残業は当たり前ではないことを説明します。

最初に残業するかどうかの約束がある

会社があなたを残業させるには2つの壁があります。

ひとつは、「法律の壁」

もう一つは、「契約の壁」です。

まずは、法律の壁から見て行きましょう。

労働基準法では使用者が労働者にはたらいてもらうことができる時間が定められています。

それが労働基準法第32条です。

労働基準法第三十二条
使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
2  使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

法律では1日に8時間一週間で40時間を超えて労働させることはできないのです。

これが基本です。

しかし、例外があります。それが労働基準法36条です。

使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、(略)その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。(以下略)

労働者と会社が書面によって8時間以上働けるように行政官庁(労働基準監督署)に届け出る一般的に36協定と呼ばれる届けを提出します。

この書面を提出すると上で書かれている、一日8時間以上の労働時間を会社が労働者にやらせても労働基準監督官は労働基準法によって罰することはできなくなります。

簡単にまとめますと、

●労働基準法で会社は一日に8時間以上働かせることができない。
●労働者と会社が36条に従い書面を提出したら残業させても許される。

では、次回はこの36条の36協定という書面は誰がどうやっていつ作成するのかについて説明いたします。

非正規雇用

「君いらないから明日から来なくていい」という解雇トラブル

労働相談

社長が「明日から来なくていい」という労働トラブル

労働トラブルの中で、社長が従業員と口論の末「君いらないから明日から来なくていい」と暴言を振ったりすることがあります。

この手のトラブルは 大企業や労働基準法などについて詳しい人事がいる会社ではまずありません。

多くは中小企業のワンマン社長や、若い2代目社長等がやることではないでしょうか。

このような事態に対して労働者はどのように対処したらいいのか考えてみましょう。

考えられる今後の展開

まずは、どんなに権力があろうとも労働者を解雇するのは簡単にできるものではないということを知っておいてください。

そして、会社は解雇ができるのか、できないのかに関して裁判で争われた時、解雇ができるという判断した事実を争わなければなりません。

その争うべき争点となることが何なのかが、労働者も知らないと納得の行くものかどうかがわかりにくいです。

そこで、必要となるのが「解雇理由通知書」です。

労働基準法第22条2項労働者が、第二十条第一項の解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、当該退職の日以後、これを交付することを要しない。

解雇が裁判で争われることになると、会社側は、本来の解雇の理由とは違う理由を持ち出してきて、解雇の有効を争う場合があります。

また、会社側が裁判に不利になることを恐れて、「解雇した覚えはない、勝手に退職して職場に来なくなったのだ」などと開き直るケースも有り得ます。

そのようなことがないようにまずは、解雇した理由を知るための「解雇理由通知書」を受け取ることが必要となるでしょう。

あんな会社では二度と働きたくない場合

従業員が少ない零細企業のような会社でワンマン社長の独断的なやり方にほとほとウンザリしていた人や、社員を人とも思わない様なブラック企業であるような場合には、労働者の方も二度とあんな職場では働きたくない、という気持ちになることもあります。

解雇が有効であるのかそうでないのか争う様な時間もお金ももったいない。という気持ちになって次を考えるケースです。

そのような場合には、解雇予告手当てを請求することも必要となります。

解雇予告手当とは

労働基準法第20条使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。

労働基準法第20条で定められている30日分の平均賃金の支払いです。

この30日分の平均賃金である解雇予告手当を受け取り会社都合であると認めた離職票を受け取って(離職票は後日送付される)次の職場を探すことが人生にとってよりよい選択となるのではないでしょうか。

リストライメージ

肥後銀行を書類送検1日最長12時間の残業させた疑いで

熊本労働基準監督署は19日、労使協定で定めた労働時間を上回る残業を社員にさせたとして、労働基準法違反の疑いで、管理職3人を書類送検した。

同労基署によると、社員1人に最大で1日約12時間40分、1カ月で約160時間超の残業をさせた疑いが持たれている。

同社の労働時間は自己申告制で、社員は実際に働いた時間より短く記載していたという。

これはなんともたまげたとしか言いようが無い。

熊本にある肥後銀行が社員に一日最長12時間残業させた疑いで書類送検されたのだ。

一日最長12時間である。つまり、20時間労働ということである。

これはちょっと間違ったら人が死ぬ過労死レベルではないか。

1ヶ月では160時間超の残業だったとのことだが、過労死ラインとは皆さんも御存知であろうか?以下のエントリーでも既に言及しているのであわせて読んでいただきたいが、

過労死ラインといわれる残業時間について

一ヶ月100時間で脳血管疾患等にかかって亡くなったら過労死認定される可能性がかなり濃厚である残業時間である。

最悪の結末になる前に労働基準監督署が立ち入ってくれてよかったとしかいいようがない。

悪質な残業強制はもっと厳しくするべき

今回の書類送検に関しては、過労死による犠牲者が出ていないことが何よりである。

しかし、これだけ、過労死や過労自殺が世間で話題になる中で、なぜこのような過労死ラインを大幅に超える残業を当たり前のようにする企業があとを絶たないのか不思議である。

今回のケースでは労働時間は自己申告制で社員は実際に働いた時間よりも短く記載していたという。そして取締役らはサービス残業をしていたことを認めている。

これは推測するに、労働基準監督署への申告があったのだろう。

その申告もおそらく本人が申告しているのではない。

本人に労働基準監督署へ行っている時間などはない。

家族の者や配偶者が働いている親族の身体を心配してどうにかならないものかと相談して発覚したのではないのかと推測する。

家族が心配するのは当然のことであるが、もしこれが、家族のいない独り身の独身男性などであったとしたなら、一体誰が労働基準監督署へ申告するというのだろうか。

本来は会社が労働環境を配慮すべきだが労働者も自己防衛が必要

また、今回の件はサービス残業をさせていた事実を会社側が認めているので、働いていた従業員もある程度は報われる。

未払い残業代を請求することが可能であるからだ。

しかし、本当に悪質なブラック企業はそれら全てに対して対応できるような管理体制を構築していたりするから労働者も気をつけるべきである。

労働時間を自己申告制にしている会社で、残業時間を少なくされているようなケースはしっかりとした証拠をそろえて労働基準監督署へ相談に行くことをおすすめする。

弱い立場の労働者にとって、とることが出来る手段はそれほど多くはない。

労働者はもっと自分の身を守るべき労働法を知るべきであるというわたしの以前からの主張を繰り返すしか無い。

企業

ブラック企業とは何か?ブラック労働者によって支えられている日本の労働環境

ブラック企業

ブラック企業という言葉が独り歩きし、その正確な定義はまだない。

しかし、この言葉が昨今さまざまな場面で使用されるようになってから、主にネットを介して流通するようになった。

今回はブラック企業がなぜまかりなりにも企業として存続しているのかを考えてみたい。

労働基準法を守らないということはどういう意味か

ブラック企業とは、従業員を会社の駒としか見ていない企業をさすととらえていいだろう。

労働基準法は労働者の権利と人としての生活が最低限営むことのできる基準を定めてある。

つまり労働基準法が労働者として生活するにギリギリの最低ラインを定められてると見てもいい。

その労働基準法を尊重しない会社とは、まさに従業員を人として扱っていないと言っても過言ではない。

しかし、労働者側の権利だけを主張していてもそれは隔たった見方とも言える。

ここでブラック企業の経営者が何を考えて会社を経営しているのかを考えてみてもよいだろう。

典型的なブラック経営者は少ない

先日雑誌を読んでいたら、覆面座談のような特集が組まれブラック企業の経営者が社員のことをどう見ているのかのインタビューが載っていた。

そこには従業員のことなど金づるとしか見ていないいかにものブラック経営者がインタビューに答えていた。

時代劇に出てくる悪い越後屋の商人や中国の抗日プロパガンダ映画に出てくる旧日本軍のようないかにもの悪玉のようなステレオタイプのブラック経営者であったことに私は少し違和感を感じた。

少なくともわたしが出会った中ではこのような経営者はいない。会議

基本的に経営者とは会社を良くするには労働者の頑張りがないとやって行けないことをよく知っている。

そのために、相当無能の経営者でない限り社員のことを金づるなどとして扱うようなことはしない。

そして社員を大切にしたいと考えている経営者ですら実は労働法に関してはあまり良く知らないのだ。

だから、社員を大切にしても何をどう大切にするのかよくわかっていなかったりする。

自分の会社の経営のこと商売の売上や取引先のこと、それらが優先するあまり労働者のはたらく環境は最後になってしまうだけなのである。

問題なのはブラック企業を支えるブラック労働者の存在

ここで自分の会社がブラック企業だと考えている人は一度よく思い出してみて欲しい、あなたの労働環境を苦しいものにしているのは経営者の経営方針だけだっただろうか?

ブラック企業の経営方針は経営者の悪質な経営方針というよりも単なる無知によるものが多い。

しかし、そのブラック経営方針に関してイエスを称え、ともにブラックな労働環境を助長するブラック労働者の存在はいなかったであろうか。

労働基準法とは労働者を守るための法律である。

しかし、その労働基準法も労働者の方から積極的にないがしろにされたら、なにもできない。

しかも、それが会社の雰囲気を作り上げるようでは違和感を感じたものはただ排除されるだけになってしまう。

解雇規制緩和が最近では賑わしているが、このような違和感を感じた労働者を解雇しやすくするような要素がある規制緩和であるならば、日本の労働環境の改善には明るい兆しを見ることはできない。

労働基準監督署

管理職には残業手当はつかないのかサービス残業ではないのか

労働相談

管理職に昇進すると時間外労働がつかない問題

質問「昇進しても給料が上がらない体系」

わたしの会社では店長に昇進するとそれまでもらっていた時間外労働に対する残業代がつかなくなります。

その代わり役職手当がつくのですが3万円で今までもらっていた時間外労働代におよびません。

昇進すると責任も増えて、店の問題を一手に引き受けなくてはならなくなるので多くの従業員は店長昇進を喜んで受ける人はいないです。

こういう状況は許されるものなのでしょうか?

問題の論点

典型的な名ばかり管理職問題の事例である。

まずは、会社側の主張する役職手当により時間外労働の割増賃金を支払わなくてよいという法的根拠を見てみよう。

労働基準法第41条
労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
二、事業の種類にかかわらず管理もしくは管理の地位にあるものまたは機密の事務を取り扱うもの

一般的に経営者側が管理職に任命した従業員に残業手当と呼ばれる時間外割増賃金を支払わない理由の法的根拠として労働基準法第41条の管理監督者の労働時間の適用除外を持ち出してくる。

しかし、このような一方的な任命によって結果的に労働者にとって給与自体が減額されるような自体になるのなら、これは労働条件の都合の良い切り下げと見ることができると思ってもおかしくない。

もちろん、このような一方的な労働条件の切り下げが許されるわけもない。

会社が従業員に対して管理監督者として労働時間の適用外とするにはいくつかの条件が定められる。そのチェックポイントは以下の3つだ。

本当に管理職なのか判断する3つのポイント

  1. 経営者と同じ経営に参加する権限があるのか
  2. 出退勤を自分の裁量で決められる就業環境であるか
  3. 他の従業員と比べて管理監督者としてふさわしい地位や処遇があるか

上に書いたものが本当に時間外労働の対象外になる管理監督者と管理職の違いの判断ポイントだ。

名称に店長などと職場で一番責任のある立場にあるように見えるだけで実態として、経営には全く参加できず人事権すらない状態では管理監督者にはなれない。

また、昇進とともに給料が下がるようなことがあるのでは管理監督者と認められない。

どこの機関に訴えるべきか

労働基準法違反なら、労働基準監督署に申告するのであるが、

ここでひとつ主張すべきことを押さえよう。

労働者側は、店長という管理職と言われているが、実態は時間外労働を支払われないための肩書きだと考えて、労働基準法違反だと主張しているのである。

それに対して、会社側は店長という管理職であり役職手当も出していると主張しているのである。

この場合、明確な労働基準法違反である証拠を労働基準監督署に示し会社に指導をしてもらうのがよいだがなかなか難しい場合もあるので注意が必要だ。

労働問題コラム

終身雇用崩壊|人事コンサルタントの城繁幸氏の労働市場自由主義

局アナから始まる「終身雇用崩壊」

東洋経済オンラインのタイトルがなんともキャッチーで目を引くが内容である「局アナから始まる終身雇用崩壊」

これは世代間格差の論客で人事コンサルタントの城繁幸氏がおなじみの城節を披露されているのである。

城氏の普段の言説が正しい間違っているは別として、注目を集める理由は、雇用規制の緩和を推し進め正規非正規の壁をなくすこと、全員を有期雇用契約にするという、もっともわかりやすくかつ明確でラディカルな主張をしていることだ。

労働市場自由主義論者と読んでも良いだろう。

ただ、この東洋経済オンラインの記事の中でひとつ気になる主張をされているので注目したい。

それは公務員の賃金に関してだ。

公務員の賃金引き下げについて

城氏曰く、公務員の賃金は公務員をやりたいと思う人がいなくなるまで賃金を下げろ、という労働条件の切り下げを主張する。

これは現実的にできるかどうかを考えれば、革命か国家破産でも起きない限りできないとしか答えられない。

しかし、城氏の主張だけではなく多くの人が公務員の賃金の切り下げを取りあげることが多い、小泉内閣の時の選挙での“郵政民営化賛成か反対か”の一言に多くの国民が賛成のために票を投じたのも、そこには、公務員の給料を削減して競争社会を支持するという(実は趣旨が違うのだが)公務員の給料削減に投票したのではなかっただろうか。

このように公務員という現在で言う学生の就職希望先ナンバーワンに輝く安定した職場ではたらく人の給料を下げることは自由競争支持の象徴のように語られることが多い。

しかし、ここでちょっとまって欲しい、公務員の給料を下げると予想されることがもう一つある。

それは中小企業の従業員の給料も連動して下がる可能性が出てくるということだ。

給料とは会社側が一方的に決めて賃金規定で固定化されているから賃金が下がることはないと思われている方も多いかもしれないが、実はそうではない。

ブラック企業がここぞとばかりに後追いしてくる賃金引き下げ

公務員の給料を下げたら、中小企業も世間相場並みの賃金へと連動して下げてくることが予想される。

なぜなら高い賃金を払わなくても優秀な人材が獲得できるのだからである。

社会がそのような風潮になると全体的に賃金水準が下ることになる、その場合労働組合が強い大手では賃金を世間相場並みに下げるようなことは難しいであろうが、労働組合などもともと無い中小企業などは就業規則と賃金規定から容易に賃金を下げることが可能となるのである。

良心的な中小企業でもボディブローのようにじわじわと引き下げが影響してくると考えられるのだが、ブラック企業などは有無をいわさず平気で賃金引き下げることは容易に想像できる。

城氏の公務員の賃金の引き下げの主張に容易に賛成できないところである。

労働問題の鍵

児童ポルノ有罪でも解雇無効との社会通念(大津地裁判決)

ブラック企業に吠えろ

軽微な犯罪行為で会社を懲戒解雇されたのは解雇権の乱用だとして、滋賀県野洲市内の40代男性が村田製作所(京都府長岡京市)を相手取り、雇用契約上の地位確認と解雇後の月37万円の賃金支払いなどを求めた訴訟の判決が5日、大津地裁であり、宮本博文裁判官は、解雇は無効として雇用契約上の地位を認め、同社に未払い賃金の支払いを命じた。

こちらの事件は控訴審判決があります。以下をご覧ください。

村田製作所懲戒解雇事件に控訴審判決「処分に合理的理由」

今回の判決で見るべきポイント

地裁判決であるが、今回の判決で労働問題の視点で見るべきポイントとしてとりあげてみたい。

それほど大きく話題となる様な要素は多くない、ただ労働者の労働の権利、そして解雇権濫用と判断される社会通念上の相当性というのは、軽微な犯罪では有功に成らないということを改めて知る良い機会になったのではないかと思う。

今回の児童ポルノ所持での有罪は会社に損害を与えたとはいえないという目新しい軽犯罪が注目されることになった。

ここで今までの軽微な犯罪に関してはどのような判決がくだされたのかみてみよう。

たとえば飲酒運転などを例に取ってみる。

飲酒運転の場合は、解雇が有効になるには就業規則による規定のされ方や、飲酒運転に対する会社の取り決めの仕方によって大きく異ると思われる。

しかしおおむね飲酒運転程度で解雇が有効になることは、運転に関する業務や車を取り扱う業務の企業ではないかぎりないだろう。

では今回の児童ポルノはどうか、社会通念上に飲酒運転とは違い会社のイメージを大きく損なうおそれがあるかどうかが争われたのである。

わたくしとしては、今回の裁判で解雇が無効となったことがマスコミに流れたほうがよほど会社にダメージが与えられたと思うのだが、それは結果論に過ぎない。

そして当然といえば当然で児童ポルノの所持は解雇を有効とするほどの会社への損害とは認められないとの判決であったのだ。

児童ポルノ所持というある意味時流的な問題にも解雇は無効となることが明らかになり、労働者のはたらく権利はなおも強いことが明らかになったことは良いことである。

平和な生活

有給休暇取得率トップ300とブラック企業

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東洋経済オンラインが発表する有給休暇取得率トップ300

東京経済オンラインによる有給休暇取得率トップ300が発表されている。

異議アリの読者の皆様にはこの記事を読んで違和感を感じられることだろう

なぜなら、なぜに今頃トップ300が話題になるのか?だ。

以前のエントリー

韓国よりも低い有給休暇消化率、国際比較で見ると日本が最低

で紹介されているように、日本の有給休暇消化率は40%弱で先進国最低なのである。

グローバル化が叫ばれる中、このトップ300で表示されている企業で働く従業員に含まれる人はごく僅かであり、

おそらくほとんどの方はこの大企業と関連があるのならその下請会社、孫請会社、として有給休暇取得率等に及ばない状況ではたらいているのではなかろうか。

国も有給休暇取得率の低さは問題視している

マスコミがこのような情報を発表するには理由がある。

それは、日本が先進国の中で有給取得率が最下位であることを改善したいという気持ちがあるのである。

マスコミがこのように報道する裏にも、「日本が先進国最下位」と報道するよりも、日本を牽引する大企業が有給取得を率先していくことにより下々の中小企業も習って欲しいという思惑が隠されているのである。

だから、わたしもこの発表自体を否定するつもりはない。

しかし、現在のような大企業とその下の中小零細企業の労働者の就労環境に関してこれほど大きく格差がある状況では何も動くことはない。

有給休暇を取得すること自体が大々的に報道されるという現実こそが、今の日本の経済構造の根本の問題だという認識が必要だ。

非正規雇用

求人広告と実際の面接で聞かされた話が違う場合のトラブル

労働相談

求人募集時の内容と事実が違う場合

新聞折込チラシに掲載されていた、労働条件では高額報酬と完全週休二日制などのうたい文句で呼び込みをして、実際に働いてみると、条件が全く違うというトラブルを聞きます。

こういう場合は労働者はどのような注意が必要となるのか考えてみます。

おかしな契約をしてはいけない、悪質な場合はしかるべき処置を。

労働者は面接時に働きたい一心でついつい妥協しがちになることが見受けられますが労働者が一番最初に考えるべきことは、労働契約とは対等であるということです。

基本的なことですが、契約する時はじっくりと考えてしっかり話し合うことが一番大切です。

そしていざトラブルになった時には、労働契約時に明示される労働条件がどうであったのかが、一番の重要ポイントとなります。

最初に経営者と労働契約をした時は経営者は「労働条件通知書」を労働者にわたして、どのような労働条件で約束したのかを明らかにしないといけないのです。

その労働条件通知書なり雇用契約書を明示して交付してもらうことを忘れないようにしてください。

もし、もらっていないのなら、その会社は労働基準法の第15条労働条件の明示に違反しています。

何よりも最初に契約する時にしっかりと納得の行く契約をすることです。納得がいかなかったら働いてはいけません。

労働問題をみんなとシェアしませんか?

非正規雇用

准正規労働者とは何か?非正規労働者や若者が目指すべきもの

非正規労働者の増加がさまざまな分野での不公平感の増長になっている現在で、厚生労働省は正社員だけではなく准正社員を策定し助成する方針を決めた。

はたして、准正規労働者が非正規労働問題を解決するいとぐちへと結びつくのであろうか。

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 准正規労働者についての概要

今までは一般的に言われている雇用期間の定めがない無期雇用の労働者を正社員とよび、それにたいして、雇用期間の定めがあり不安定な就労環境を強いられる労働環境の人を非正規雇用と呼ばれていた。

当然雇用期間がないアルバイトでも非正規社員であり、派遣社員なんかもその類に入れられる。

今回の厚生労働省の発表はこの正規労働者と非正規労働者の中間に位置する准正規労働者という概念を打ち出してきた。

この准正規労働者については非正規正社員と比べてメリットは大きく2つに分けられる。

准正規労働者であることの2つのメリット

准正規労働者であることのメリットは今までの非正規労働者に比べ、雇用期間が無期雇用になり正社員と同様に期間の定めのない雇用になること。

もう一つは転勤や職種変更がなく短時間勤務も可能になることがあげられる。(短時間になることで子育て中の主婦なども働きやすくなる。)

准正規社員のメリットとその地位の有効活用方法?

実はこの准正規労働者をシステムとしてみてみると、全く画期的なコンセプトというわけではない。

知っている人は知っているが今まで政府が支給する助成金として均等待遇正社員化推進奨励金というものがあり、その中で短時間正社員制度を奨励されてきていた。つまり短時間の正社員という概念をうちだして、雇用の安定を図っていたものである。

その短時間正社員制度という呼び名があまり普及されていないため、正規労働者と非正規労働者の間に准正規労働者という呼び名を新たにつくり、普及に努めようと考えたのではなかろうか。

労働者はどのようにして准正規労働者で働くのが望ましいか?

ここから読み取れるものは日本政府はやはり解雇規制の緩和は望ましいものとは考えていないのである。できるかぎり雇用期間の定めのない無期雇用として労働者を保護したい考えが裏付けられる。

それと同時に経営者が労働者の雇用に対してリスクを負わないかたちで両者にメリットを与えるように取り組んだのだろう。

この制度の導入で労働者にとってのメリットは、出産のためにいったん職場を離れた主婦が育児をしながら働けることや、何らかの理由でいったん正規労働者の道から外れた若者などにとっても有効活用するチャンスが与えられることになるとみてよい。

しかし、よくよく注意してほしいことがある。

それは非正規社員を正社員に近づける一方昇進などは制限する。という狙いがあるのだ。

これはどういうことか、「雇用を安定化してはたらく場を提供するがそれ以上の高望みはするな」

というメッセージを読み取らなければならない。

では非正規労働者はどう対応したらいいのだろうか?

それは非正規労働者は准正規労働者という一つのステップとして有効活用するのがいいのではと思う。いったんは安定した雇用の中でしっかりと仕事をする。

そしてこの制度は賃金が正規労働者よりも少ない分、短時間で自分のための時間を作ることができる。その余った時間を自分の人生のために投資することを考えて行く。

このような活用を労働者に模索する方法を提案したい。

労働問題

解雇規制の緩和について、今さら聞けない基本事項

解雇規制緩和のメリットデメリット(長所短所)について

解雇規制緩和(かいこきせいかんわ)という言葉をわかりやすく説明します。

日本では、はたらく人のための権利が法律によって守られています。

一度労働者を雇ったら、経営者はその労働者に対して、しっかりと職業訓練をして、ルールを守るために教育をすることが社会的に見て必要だと考えられているのです。

ですから、労働契約法16条に

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

と、定められていて、社会通念上相当であるという判断には厳しくチェックが入れられるのです。

しかし、逆に言うと客観的合理性があり、社会通念上相当である場合は解雇ができるのです。

客観的合理性があると認められる解雇の一つに整理解雇があります。

整理解雇(リストラ)についてはこのブログでも何度も説明したので省きます。

そのリストラも厳しい条件が必要となるのですが、このリストラの要件をもうすこし簡単にできるようにしようというのが解雇規制緩和です。

会社がたくさんお金をもうけている時に仕事がたくさんあって労働者をたくさん雇ったとします。しかし、仕事がなくなったらどうでしょうか?解雇ができなければ仕事が無いのにお給料を払い続けなければなりません。

従業員を解雇してその本当だったら払うお給料を新しい経営方針のために投資したり新しいステップを見つけていけば、会社はさらに発展するかもしれないでしょう、だから解雇しやすくしようという考え方を主張することです。

しかし、非正規労働者や弱い立場の零細企業の労働者にとってどう影響するかは以下のエントリーをぜひご覧ください。
労働市場の流動化は非正規労働者にとってはメリットかデメリットか|労働相談ニュースブラック企業対策室

解雇規制を緩和したら経営者ばかりが得するんですね。

質問:でも、それって会社の一方的な都合じゃないですか、会社が発展するかもしれないけど、リストラされた社員はどうなるのですか?

会社ばかりの都合のいい考え方がどうして緩和されないといけないのですか?

みんなで考えてみよう

さあ、そこが問題です。

このブログでは解雇規制緩和が正しいことなのか間違ったことなのか政治的主張はいたしません。

でも、一つよく考えて欲しいのです。現在では、はたらいている人の権利を守っていたら、今度はまだ働いていない学生が新しく会社に雇ってもらえなくなる事がおきています。

学生だけじゃなくて、もっと新しい技術や知識を持っている人を雇いたくても、雇えないなどの問題もあります。

たとえるなら、便秘になってしまって、出すものも出せない状態だと、お腹がパンパンに張ってご飯も食べられない様なことがおきているってことになっているのです。

解雇規制緩和をアメリカ型資本主義等と呼ばれたりもしますが、もともと資本主義とは「淘汰」(とうた)こそが醍醐味なのです。淘汰とは強いものが勝ち、負けたものは去るということです。

若い人たちの失業率が高い問題もこの解雇規制が厳しすぎて年輩の労働者がまもられていたから若い人にしわ寄せがいっているとも考えられるのです。

だから、どちらが正しいのかは一概には誰も決められません。みんなでよく考える必要があります。

この解雇規制緩和の問題にはもっともっといろんなことが含まれているので、まだまだ言い足りないのですが、今日はこのへんでまた続きをお話します。

平和な生活

韓国よりも年次有給休暇の支給日数は日本のほうが上!しかし・・・

2012年の有給休暇の支給日数と取得率を旅行会社のエクスペディアジャパンが公開しています。

日本は有給休暇の支給日数では韓国や台湾だけでなく、アメリカよりも多いことが判明しました。しかしその実態は…

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 えっ!日本の年次有給休暇の取得率、低すぎ・・・

単純に支給日数だけで比較をするのなら日本は支給された平均年次有給休暇は13日とそれほど悪い数字とはいえない。

たしかに労働者の権利意識が強いヨーロッパなどと比べるとスペインの30日ドイツの30日イギリスの25日と比べたら見劣りするものの。

アメリカの12日台湾の10日、韓国の10日、などよりも多くの有給休暇の支給日数が確認できる。

しかし、日本のブラック企業、社畜文化をなめてはいけない。

韓国よりも悪い、有給休暇取得率

有給休暇は与えられても、取得しなければ意味が無い。

有給休暇消化率を見てみよう。先ほどあげたヨーロッパがほぼ100%ちかい消化率であるのに比べ、(30日の取得日数で消化率が100%の30日!)アメリカは83%で10日の消化である。

おとなりの国韓国でも70%の消化率で年間平均7日の有給休暇を取得していることが読み取れる。

そこで我が国の消化率を見てみよう。

なんと38%

13日の支給日数に対して、5日しか消化していないのである。これは韓国よりも2日少ない数字である。

消化率の数字を上げているのは大企業、大企業でも平均55%くらい

厚生労働省の調べでは、1000人以上の大企業の年次有給休暇の取得率は55.3%と示している。

300人以上にいたっては46.0%であり、100人以上299人以下では44.7%と従業員数が少なくなるに連れて取得率も減少していく。

日本の労働者のおおよそ95%は中小零細企業に勤めており、100人以下の企業がほとんどだ。

つまり日本人のほとんどの人の年次有給休暇の取得率は惨憺たるものであることが数字によって理解できる。

ブラック企業は年次有給休暇の存在を絶対に教えない。

経営者は基本的に労働基準法については、セミナーに参加したり労働法について経営者同士の集まりなどでどのようなものがあるのか熟知している。

その中で必ず年休取得の問題も話題に出て知っていたりするものである。

しかし、ブラック企業の経営者になるとそれをそのまま労働者に与えるようなことはしない。

たとえばパートタイム労働者が年次有給休暇を取得しているだろうか?パートが年休習得をすることができるのはここでも書いた。

年次有給休暇について、パート・アルバイト非正規の取得について

あなたの職場は気軽に有給を取得できる雰囲気があるだろうか、それが全てを物語っているのである。

どうすれば休日をゆっくり過ごすことを楽しめる社会になるのか

わたしたちの社会は均質的で同調圧力がとても強い社会であり、人と違ったことをすることに対してとても嫌悪するところがある。

そのような同調圧力に対して、労働者ひとりひとりが労働者の権利意識をしっかりと持つことが大切なのだ。

「みんな仕事で忙しいから簡単には有給休暇の取得ができない」というのは、労働者権利の意識の低さの表れでしか無い。

今労働者に求められているのは足を引っ張り合う文化からお互いに協力しあう文化にしていく必要があるのだ。

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平和な生活

ブラック企業ではたらく若者にも知ってほしい、本当に労働者を守るもの

 

このサイトでは再三にわたって労働基準法が労働者を守るものという労働者の権利意識を広めています。
しかし本当に労働者を守るものとは何かをお話したいです。

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経営者の義務と労働者の義務

経営者には会社を運営していくために、労働者を雇い、労働者に労務を提供してもらうために指揮命令権が与えられます。

労働者は賃金をもらいますから一生懸命にはたらきます。

ここで、経営者には2つの義務が発生します。

経営者の2つの義務

一つには労働者を雇うのだから賃金を支払う義務です。

これは絶対で違反すれば労働基準法に罰則が定められています。

もう一つは労働者に安全に仕事をしてもらうための環境を整備する義務です。

この義務に関しても経営者は守らなければなりません。働く環境とは衛生面安全面だけではありません。セクハラやパワハラ・職場いじめと言った人間関係の問題なども放置して労働者の働く環境を害するようなことはしてはならないのです。

労働者にも2つの義務

それに対して、労働者にも2つの義務が発生します。

一つには労働を提供する義務です。労働者が指示した仕事に対してしっかりと働くということです。

そしてもうひとつは企業が目指す利益を侵害するような行為をしてはならないという誠実に働く義務です。

労働者の皆さんには、ここをしっかりと覚えておいて欲しいです。

会社のためにしっかりとはたらくことそれが労働者を守るものなのです。

ブラック企業でもまじめに働かないといけないの?

はたらきがいのある会社で、やりがいのある仕事をすることは心身ともに健全で理想の職場といえるでしょう、しかし世の中には経営者が自分の儲けのことだけを考えている会社というのはいくらでも存在します。

そのような会社で労働者が働く意欲をなくす気持ちもよくわかります。

しかしそのようなブラック企業に対して弱い立場の労働者はなにができるというのでしょうか?労働基準法が労働者を守る法律だから守ってくれる?

いいえ、そんなに簡単なことではありません。

たとえば裁判になった時、ブラック企業の経営者を大岡越前が悪いブラック企業の悪代官を裁いてくれると思いますか?

そんなことはありません、ブラック企業の経営者と労働者を公平な視点からみていきます。

その時、あなたを守ってくれるもの、それが労働者として誠実に働いたという自分の誇りです。

だから、ブラック企業で働いているあなたは今は誠実にはたらくということを心がけてください。

それが必ずあなたを守ります。

会議

労働基準法をもっと良く知ろう!

 

ブラック企業に打ち勝つために労働基準法を知っていますか?
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労働基準法は労働者を守るための法律です。

経営者は労働契約をむすぶ上で有利な立場にいます。労働者の賃金を決めたり、労働時間を管理したりするのも経営者側が一方的に決めることがほとんどでしょう。

そのような有利な立場を利用して労働者になんでもかんでもやらせることができるのか?と言えば、それはできません。
わたしたちの社会は法律でルールが決められています。そしてその弱い立場の労働者を守るためにもルールが決められています。その弱い立場を守る法律が労働基準法です。

労働者の権利は本当に労働者に周知されているのか?

労働基準法は労働者なら誰もが聞いたことは有るでしょう。しかし、労働基準法をよく読んでじっくり熟読玩味したことがある人は多くはないと思います。
わたしたち労働者の多くは労働基準法はあまり知らないままに社会とは会社とはこういうものだとなんとなく納得しながらはたらいているのが現状ではないでしょうか?

本音とタテマエをうまく使い分ける日本人の性格上、法律などしょせんタテマエにすぎないなどと考えている人もいるかもしれません。

そのような空気の中でなし崩し的に労働者の権利が尊重されずに労働者を苦しめている現象はいたるところで見受けられます。
たとえばそれの一番典型的なものの一つには年次有給休暇があげられるのではないでしょうか?

年次有給休暇を取得していますか?

みなさんは年次有給休暇を100%取得しているでしょうか?
大企業などは取得率がかなり高いようですがそれでも60%程度ではないでしょうか、ご存知でしょうか先進国の中で日本が一番年次有給休暇の取得率が低いのです。
「有給を取得するのは気が引けるとか」、「お世話になってわがまま言えない」とか日本人の遠慮深さの現れかもしれませんが、やはりこれは異常であると考えたほうが正しいと思います。

労働者が労働者の権利をもっと知ることそれが豊かな社会を築く礎です。

労働基準法は労働者が人たるに値する生活をするために定められたルールです。

わたしたちは何のために働くのか?それは自分が幸せな生活をするために、そして豊かな社会を築くためにはたらいているのです。
どうして自分の体を害して深夜まで労働して、最後は過労死する労働環境が人たるに値する生活だといえるでしょうか?

ひとりひとりが労働者の権利を尊重することがきっと豊かな社会生活へと結びつくと信じています。

労働問題

労災だと会社が認めてくれない。

労働相談

質問:仕事をしている時にケガをしたのですが会社が認めてくれません。

仕事中にケガをしました、近くには上司もいたので、見ていて知っているはずです。

でも、労災ではないと言い張ります。どうして会社が認めてくれないのでしょうか?健康保険を使用すれば済むことなのかもしれませんが、少し納得がいかなかったのでお聞きしたいです。

A労災は労働基準監督署が認めるものです会社が認めなくても申請できます。

仕事中にケガをしたら、労災として申請します。会社が申請するものです。

しかし、労災は従業員を一人でも雇った場合に必ず加入しなければならない保険であるにもかかわらず会社が労災の申請をしてくれない場合があります。

会社が労災を認めてくれない理由

会社が労災と認めてくれない理由はいくつかあります。ここでは考えられる2つの理由を考えてみます。

1つ目はもともと労災保険に加入していない。

労災手続きが面倒だから、あるいは、何らかの理由によって労災に加入していない場合があります。加入は義務ですが、未加入でいると悪質な者にはその報告を求められ罰則を与えられることもあります。

つまり、このような場合は、社長が労災に関しての知識や情報がなかった、労災は素直に加入していれば従業員にも経営者にとってもプラスになる制度です。そのことを社長や経営者が知らなかった。そういう場合は、上司や経営者にしっかりと労災の必要性を説明することが大切ではないかと思います。

無理に事を荒立てないほうがいいと思われます。

考えられる2つ目は会社の過ちを認めたくない。

会社には従業員が安全な作業や労働に従事できるようにその環境を整備しないといけない義務があります。

認めてしまうと労働者からの損害賠償等会社の過ちを認めてしまうことになります。

会社の安全配慮義務違反で訴えられることを恐れているのかもしれません。

しかし、労災は会社が労災であると認めるものではなく労働基準監督署が認めるものです。会社による承認がなくても自分で申請をすることが可能です。

ですので、自分で労働基準監督署に赴いて労災を申請してください。

パートアルバイト格差

【労働相談】パートタイム労働者の年次有給休暇について

 

パートタイム労働者の年次有給休暇の周知

パート労働者の年次有給休暇比例付与
パートやアルバイトでも有給休暇の取得は可能です。

パートタイム労働者にも労働基準法上年次有給休暇が取得できるということを知らない人が多いです。

パートタイム労働者であるからとか、働かせてもらってるだけ幸せとか日本人らしい謙虚さからその権利を自ら放棄している人が多い様子です。

また、正社員がもらってない状態でパートの自分が取得できないなどの事情もあるみたいですが、年次有給休暇は労働者の法律で定められている権利です。

ここではパート労働者の年次有給休暇について説明します。

パート社員でもアルバイト社員でも年次有給休暇は取得出来ます。

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年次有給休暇を取得することは気兼ねする必要はありません。労働者が受ける当然の権利です。

また世界水準でみて先進国の中で日本は年次有給休暇の取得は低い状態であり、それは単に年次有給休暇取得という労働者の権利の意識の浸透ができていないだけの問題と思われます。

しかし、他の正社員がもらってない状態でパートタイム労働者だけ有給取得を申請することは心理的に難しくなります。

このような場合は、有給休暇は労働者の権利であるという意識を同じ労働者同士でしっかりと話し合うことが大切になるのではないでしょうか?

パートタイム労働者の年次有給休暇の取得条件

年次有給休暇の取得するための条件は

  1. 入社した日から6ヶ月以上経過していること
  2. その期間のなかですべての労働日の8割以上出勤していること

となっております。

雇入れの日から6ヶ月でその後一年間のうちに10日の年次有給休暇を取得します。

しかし、パート労働者員は正社員よりも労働日数が少なく働いている場合がありますので、労働日数に応じた比例付与された年次有給休暇となります。

会議

配置転換や人事異動が悪質ないじめや嫌がらせが理由となる場合の対処法

質問「突然の配転で理由もなく今までにやったことのない工場労働へと異動となった。」

配転命令を社長から受けました。納得がいきません。どうして自分が配転されなければならないのか理由を説明いただけませんでした。

実を言うと職場内でわたしは他の社員より高い報酬をいただいています。それを妬んだ他の社員たちがわたしについて何かと根拠のない噂を立てて職場秩序を乱すと言って触れ回っています。

それを上司が勝手に解釈してわたしが職場秩序を乱す人物と判断している様子です。

今まで事務職員として働いていたのに突然地方で工場労働となるのは納得がいきません。これは受け入れないといけないのでしょうか?

 ※当ブログに相談された内容を掲載することはありません。相談内容は一般化され変更されています。

回答:単純な嫌がらせの配転命令は配転命令の濫用とされ無効となります。

配転命令は会社側の経営判断上の裁量が認められていますので、すべての配転命令が無効となるわけではありません。

しかし、会社側が業務命令とは異なる所で嫌がらせ的な配転命令などは認められません。

人事裁量権の中で配転が有効とされるには、労働契約を締結する上において、配転も初めから約束をしていた、あるいは就業規則等で周知されていたことで当然の範囲内であること、法律に反するような命令ではないこと、個人的な悪意や嫌がらせによる配転命令ではないことが焦点となるでしょう。

しかしながら、会社の人事裁量権は認められるものであり、嫌がらせ目的であることを証明するのは困難となります。

就業規則や雇用契約書などで、勤務地が限定されている契約でなかったかどうかをまずは調べてください。もし勤務地の範囲等が限定されたものであるのなら配転命令は無効となる場合もあります。

職種が限定されていた場合も配転命令が無効とされる場合がありますが。今回の件は突然今までやったことがない工場労働へと配転となるため、業務上どれほど配転が必要であったのか合理的根拠が争点となると思われます。

配転命令・人事異動等の命令は会社側に裁量権がありますが、会社側の一方的かつ根拠のない命令は無効とされることがあることを覚えておいてください。